労働条件通知書に関する法改正

 2024年4月1日から労働条件通知書の必要記載事項に関する法改正が施行されます。

 そのため、法改正後の労働条件通知書に関するお問い合わせが増えています。

< 1 > 特に目立つのは、パートタイマーさんや有期雇用契約の従業員さんとの契約が3月末で満了となり、4月1日から新しい労働条件通知書を交付されている企業さまからのお問い合わせです。このような会社さまでは、従来は3月中に本人と面談し3月末までに新しい労働条件通知書を交付されていたようです。その為、今回更新する労働条件通知書は従来のママで良いのか? それとも改正後の労働条件通知書でなければならないのか? と迷われるようです。

 その答えは厚生労働省がネットに公開しているQ&Aに「労働条件明示は、労働契約の 締結に際し行うものであることから、契約の 始期が令和6年4月1日以降であっても、令 和6年3月以前に契約の締結を行う場合に は、改正前のルールが適用され、新たな明示ル ールに基づく明示は不要である。」と記載されていますが、そのQ&Aに気付かれていないようです。ただし、このような場合でも、新たな明示ル ールに基づく労働条件通知書でも良いとされています。

< 2 > 次に多いのが、「有期雇用契約だけでなく正社員のような無期雇用契約の人の労働条件通知書にも"就業場所の変更"と"業務の変更"の範囲を記載する必要がある」ということを見落とされ、有期雇用契約の労働条件通知書の書式だけを変更されようとしているケースです。

< 3 > そして、無期雇用転換後の労働条件の明示事項の中で「配置転換」や「定年制の適用」などについて、無期雇用転換後の従業員に適用する就業規則にどのように定められ、それが正しく転換後の労働条件として明示されるようになっているかという点にも注意することが必要なようです。

 そのほかにも労働条件通知書について色々なご質問がありますが、2月に入って急増したのは上記に関するご質問です。そして私的には「民法に基づいた雇用契約書の必要項目だけでは今回の法改正に対応することが難しくなる」と思います。