悩みや問題を解決するお手伝いをして『より良い会社になって頂くこと』がMSRの使命(ミッション)であると考えています。
MSRは、経営者としての経験と、その後に体系的に学習したことを基に、 「経営者の視点」「法律家の視点」「経営コンサルタントの視点」から助言し、
ご依頼があれば経営者に寄り添い、一緒になって会社の問題や課題を解決していきます。
「誠実」「真摯」「迅速」な「貢献」を信条としています。
原則は「Simple is Best」
特定社会保険労務士
個人情報保護認定事業所 ( SRP Ⅱ ) 認証番号1600125
広島商工会議所会員
( 連 絡 先 ) 代表電話:082-222-9122 mail:k.m▲crux.ocn.ne.jp (▲マークを@に変換)
(事務所所在地) 〒730-0012 広島市中区上八丁堀 7-1 ハイオス広島
(営業時間) 8:00~20:00 年中無休 ( 休日もご遠慮なくご相談ください )
代表電話は受付の都合で平日の9:00~17:30の間しかつながりません。その後及び土日祝日はメールでお問い合わせください。
なお、Teams / Zoom等によるテレビ会議を使用したご相談も承っています。
(氏名) 村上 公政 (最終学歴) 慶応義塾大学 経済学部 加藤寛ゼミ
(所属) 広島県社会保険労務士会 (開業) 平成14年12月
他の社労士のほか、他の士業(弁護士、司法書士、税理士)等と連携して、それぞれの得意分野、専門分野を活かしながら案件を処理していく場合があります。その場合にはご依頼者から予めご了解を頂きます。
次のような経営者の方は是非ご相談ください。初回のご相談は無料!! 着手するまで料金は不要!
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「働き方改革が必要な部署や人ほど仕事を改革しようとしない」傾向が強いと思います。
これは私の昔しの体験ですが、昔し父親が経営していた会社で在庫を減す必要があると経営コンサルタントから指摘されたことが何回もありました。そして、父親も朝礼や営業会議で「在庫を減す」方針を出したり、それをスローガンにしていました。その結果、全社の在庫は社長の指示に従い減るのですが、その内容を検討してみると、在庫を減す必要がほとんど無い部署が在庫を大幅に減し、在庫を大幅に減す必要がある部署は在庫をほとんど減していないことが度々発生していました(なお、適正在庫高は売上高と利益高とのバランスから試算していました)。在庫を減すべきなのに減していない部署の責任者に詰問すると、必ず何らかの言い訳をして従来からの自分の商売のやり方を変えようとしていませんでした。
また、昔しから社長が「火事防止をしましょう」という指示を出したら、部長は「タバコの火の後始末、ガス給油塔の火の始末等に注意しましょう。総務担当者は消火器の有効期限を確認してください」等と、より具体的な指示を出し、課長は「タバコを吸う人が退社するときは机の上に灰皿を置いたママにせず灰皿を綺麗にして返却場所に返却して退社すること、ガス給油塔の火の始末は輪番制で決めるので輪番担当者が退社前に確認すること」等と、更に具体的な指示を出さなければ、社長の指示は結局はスローガンにしかすぎず実行されないと言われています。その為、スローガンで終わらさせない為には、より具体的な指示が必要となります。
以上のことを通じて、私は「会社組織全体を動かすには"トップ"による方針又はスローガンが必要だが、それを組織内部に浸透させる為には中間管理職が各部署に応じた"具体的な対策"を講じることが必要」であることを学びました。そして、これは労災事故防止にも言えることですし、長時間労働抑制などの働き方改革やハラスメント防止にも言えることだと私は思います。
さて、「働き方改革」は「働きかた改革」であると同時に「働かせ方改革」でもあります。そして、その目的は「1時間当たりの生産性」を従来より高いものにすることにあると私は理解しています。そうしなければ、人口が減り、かつ高齢化も急速に進行しつつある現状で会社の業績を維持することは難しくなる状況だからだと私は考えています。そのうえで、ご依頼がありました各社で「働き方改革」(今までは主に長時間労働対策が多かったのが実情)のお手伝い(伴走)をさせて頂いていますが、働き方改革が本当に必要な会社・部署・人ほど従来からの仕事のやり方・考え方に固執され、具体的な提案を行っても中々実行されようとしない傾向を私は感じ取っています。そして、「働き方改革」を推進しようとすると、単に時間外労働の時間数を減すだけでなく「仕事のやり方や考え方」を変える必要があるのですが、そのとき本来はトップの方針にそって具体的な対策を指示すべき中間管理職の人たちが予期せぬ抵抗勢力となることがあります。それは、中間管理職の人たちからすると、自分達が今まで慣れ親しんできた仕事やり方・考え方が変えると自らの地位が脅かされる可能性があると考えてしまうからだと思います。この表面には出てこない抵抗勢力(面従腹背)は「働き方改革」推進のときだけでなく「事業再生のお手伝い」をするときにも屡々遭遇する現象なのですが、この抵抗勢力にいかに対処していくがが成否の分かれ道となります。ただし、既に「1時間当たりの生産性」がかなり高い会社や部署や人ほど働き方改革を行いより一層「1時間当たりの生産性」を高めようとされる傾向もあります。このような部署の中間管理職の人たちは自ら率先して働き方改革を推進されるようです。
『(交通)事故の統計を取るだけでは、(交通)事故を減すことはできない』と言います。
(交通)事故を減す為には、やはり現場に行き、発生した原因を究明して、その対策を実行ことが必要ではないでしょうか?
同じようなことが"働き方改革"を推進するためにも言えると私は考えます。
勤怠管理システムを導入しても、勤怠管理システムは長時間労働などの働き方改革を阻害している原因まで教えてくれるものではありません。書籍「危機からの脱出」(出版社:㈱日経BPマーケティング )で著者:W.エドワーズ.デミングは『生産性の測定は事故統計のようなものだ。測定して問題があることは理解できるが、事故そのものについては何も語らない』と指摘しています。また同書では『変革を起こせるのは人間だけであり、ハードウェア(PC、装置、自動化、新鋭設備など)ではない』とも指摘しています。
大切なことは、集計された記録(統計)を人間がどのように判断して、どのように活用していくかではないでしょうか?
過去に私が体験したことをお話しすれば、ある会社で色々と仕事のやり方・手順の改善を行った結果として営業職の人たちの時間外労働が1名を除いて月間20時間~30時間程度まで減った事例があります。時間外労働を20時間~30時間程度まで減すことができないその1名はどうしても月間40時間~60時間となっていました。そこで会社の人にお聴きしてみると、その人は島嶼部を主に担当しているのでフェリーで移動するのに時間がかかっているということでした。そして、他の営業マンが島嶼部を担当することはほとんど無く自動車で営業活動を行っているということも分かりました。その結果、長時間労働の原因はその営業マンの仕事のやり方や手順等に問題があるというよりも、担当エリア(販売先)の決め方と島嶼部のお客様との取引きのやり方に問題があることが分かりましたので決め方と取引きの進め方を改めてもらうよう提案しました(当然のことですが、TeamsやZoom等のテレビ会議システムを利用した営業活動も紹介させて頂きました)。
原材料費や人件費が高騰する中で、働き方改革を推進する為に、会社がPCソフトや装置・機器を購入するとその経費の一部が助成される制度の利用条件が緩和されています。しかし私は「PCソフトや装置・機器を購入する」だけでは働き方改革は推進できないと考え、この助成金を利用するお手伝いするだけでなく、依頼があれば業務改善を行うためのお手伝いもさせて頂いています。
『変革を起こせるのは人間だけであり、ハードウェア(PC、装置、自動化、新鋭設備など)ではない』(書籍:危機からの脱出Ⅰ 著者:W・エドワーズ・デミングより)と言います。
40年位前にコンピューターが普及するにつれて、業務改善を目的にソフトを導入された会社が沢山ありました。しかし、折角導入したソフトを十分には活かしきれず、寧ろ業務の複雑化を招き経費を増加させたケースもありました。その結果、個別の業務ごとに最適なソフトを導入するのではなく、会社全体の業務を統合できるソフトが開発されるに至りました。
そして、石油ショック、バブル崩壊やリーマンショックの後で"ものづくりメーカー"さんは生産工程における"ムダ""ムラ""ムリ"を徹底して排除することで生き延びることに成功しました。私の地元の自動車メーカーであるマツダのスカイアクティブ生産方式について研修会で学び現場を拝見したときは、昔しからマツダの構内を知っていた私は吃驚しました。
また、生産性が低いと言われる日本のサービス業でも、私が体験したのは散髪屋さんでした。その散髪屋さん(チェーン展開され、私は労務管理に関して助言していました)は、顔の髭を剃るときに温かいタオルで顧客の顔を覆うことはせず特殊なクリームを使用して髭剃りをし、またシャンプーしてもらったときも如何にして短い時間で濡れた肌や頭髪を乾かすかということに工夫されていました。
これらの私の体験を基に「顧客の要望(値上げ防止と品質向上)を実現するためには、モノやサービスの提供工程全体における"ムダ""ムラ""ムリ"をいま一度排除し直す必要がある」と考えています(トヨタの改善活動は「乾いた雑巾を更に絞る」と聞きます)。
そして、その為には部分的な改善を目指すのではなく会社全体の仕事の流れ(業務フロー)を再検討する必要があると思います。そして更に、そのときに一番大切なことは「会社で暗黙知となっている過去からの習慣や考え方に拘らず、目的を達成する為の最適手段を選択する」こと(パラダイムシフトすること)だと考えます。そして、そのときにボトルネックとなるのは標準化されてない「属人的な業務」がある場合です。
因みに、私が事業再生(倒産しそうな会社の立て直し)のお手伝いをするとき、中小零細企業では「5S(整理・整頓・清掃・躾・清潔)運動」を徹底して行って頂きます。そうすると、リストラや資産売却のような外科的手術を行わず、それだけで利益が出始めた会社が沢山ありました。この5S運動とは、単に職場や社内を綺麗にするというだけでなく、社内に潜む"ムダ""ムラ""ムリ"を徹底的に排除し、またそれを通じて人間(経営者や従業員)に考え方の違いに気づいて頂くことにその目的があります。そして、その際には部分最適ではなく全体最適の視点を育んで頂くようにしています。
いずれにせよ、人口減少が招く人手不足や人件費の高騰が潮流(トレンド)として予測される中で、原材料費高騰や顧客ニーズなど市場の変化がある日突然に発生するカオス的な状況の昨今において、働き方改革が推進されているので、会社が存続・維持・発展を続けていくためには「会社を構成する人間の考え方をパラダイムシフトして頂き、過去の自分(自社)の成功体験に囚われず、全社的かつ中長期的視野に立ち出来る限り一貫性を保った業務改革を継続していく」しか方法は無いと私は考え、ご相談いただいた企業さまに伴走させて頂くようにしています。
政府が昇給を推奨しマスコミもそれを大々的に報道し、また各県の最低賃金もそれに伴い大幅に引き上げられた為、世を上げて昇給することが当たり前のようになっているようです。
しかし、このようなときは自社の現状を正しく把握(再確認)することが大切です。巷の中小・零細企業では最低賃金法を順守するのが精いっぱいで、とてもそれ以外に昇給を検討する余地がない企業は沢山ありますが、このような場合にこそ従来の仕事のやり方・考え方を改め、もっと1人当たり生産性が上がるやり方に変革する方が良いと思います(これを私は"脱皮する"とよんでいます)。
そして、自社の現状を正しく把握する為には、単に損益計算書(試算表等)の営業利益や経常利益が黒字か否かだけで判断してはいけないと私は考えています。何故なら、損益計算書(試算表等)はフロー(一時的なもの)に過ぎず、それだけでは会社の安全性を判断することが出来ないからです。
会社の安全性を確認する為には損益計算書(試算表等)だけではなく貸借対照表を用いて「総資本対経常利益率」「流動性比率」「当座比率」などが安全と判断できる水準に近いことを確認することが必要ですが、それが煩わしい場合に、敢えて簡単に安全性を確認しようとする場合は、純売上高平均値に対して現預金平均残高が3か月分以上(私の経験値です)あるか無いかで判断することも可能ではないかと思います。
そして、その上で(付加価値)労働分配率も安全と判断できる水準にあること、1人当たり付加価値額がどの程度あるであるか等を確認することが必要であると私は思います。よくあるケースですが、今期は儲かった(損益計算書上で利益が出た)から昇給を検討しようとしていたのだが貸借対照表をもとにして会社の安全性を確認すると、昇給を検討する余地が全くなかったということもあり、このようなときは賞与(又は支給期限付きの諸手当など基本給以外の手当)で検討した方が良いと思います。
なお、付加価値額の計算方法は色々あるのですが、私は比較的簡単な厚生労働省方(営業利益式+人件費・労務費・福利厚生費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課)で計算することをお勧めし、なおそれでも難しい場合はかなり大雑把なモノになるコトはお伝えした上で粗利益額で代用することをお勧めしています。
そして更に、「会社の総人件費=従業員数 × 1人当たり平均的賃金」ですから、従業員数が適正であるか? 人員過剰の部署と過少の部署とがないか? 一部の従業員の賃金だけが高額で他の従業員の賃金が低く抑えられている状態(=会社への貢献度とは関係なく賃金が偏っていないか)ではないか?も検討された方が良いとお話しさせて頂いています。
いずれにしても、変化が激しく、しかもその変化が突然に現れる昨今の混沌とした状況下(カオス状態又は乱気流状態)では、世の流れだけに身を任せるのではなく、自社の現状を出来る限り正しく把握し、その上で付加価値労働分配率を出来る限り適正な水準にすることができるように賃金の改定を行うことが大切ではないかと私は思います。
そして更に、賃金の改定を行う際には必ず人事評価を行い、その評価結果を改定額に反映させることで、会社への貢献度に見合う公平性が確保できるようにすること(一律昇給はしないこと)も非常に大切なことだと私は考えます。
5月にあった広島サミットでチャットGPT対策が検討されましたので、顧問契約先には5月にチャットGPTやGoogle Bard等に関する社内ルールを私から提供してリスクに備えて頂くように注意喚起し、その後各行政機関からも色々なコメントが公表されましたので、更なる知識を得るために昨日は弁護士によるWebセミナーを受講しました。
チャットGPT等は、会社の生産性を上げるためには非常に便利なツールのようですが、同時に色々なリスクを伴うツールのようです。私もまだチャットGPT等をほとんど理解していませんが、使わなければ時代に取り残されていくリスクがあり、安易に使うと法律に抵触してしまうリスクが発生するようです。昨日の講師によると、そのリスクには
(a)個人情報漏洩リスク
(b)著作権侵害リスク
(c)会社の機密情報漏洩リスク
(d)その他のリスク
等が考えられるそうです。
特に注意した方が良い点は、これらは個人でも使用することができるツールですから、会社が知らない間に従業員が業務でそれらを利用(シャドー・ユース)していたが為に、会社が法的責任を問われることもあり得るということです。私のように"新しモノ好き"の人や若い人達は面白がって安易に使ってしまう可能性があります。
昨日のセミナーで私が一番印象に残ったことは「チャットGPTとGoogle Bardとではその仕組みに若干の違いがあるもののチャットGPT等は集積されたデータの中から平均的な解を検索してくるので、その平均的な解が必ずしも正しいとは限らず、必ず正しい知識のある人間がチャットGPTの内容を検証することが必要である(講師の言葉によると"チャットGPTがウソをつく")」という点です。
また、従業員が業務上の事柄を個人のアドレスでチャットGPT等を利用していると、その従業員が退職した後に会社はモニタリングできなくなるので、会社が法的トラブル等に巻き込まれたときに非常に困難な問題に直面することになる。その為、個人のアドレスでチャットGPT等の利用する際には業務上の事柄は出来れば禁止しておいた方が良いと講師は指摘されていました。なお、会社用のチャットGPTも開発され公開されているが、それを利用するのは大企業くらいであろうから、一般的な中堅・中小企業は個人のアドレスでチャットGPTを利用することになるだろう、そのため中堅・中小企業こそリスクに備える必要があるとも話されていました。
昨日のセミナーを通じて私が以上のようなことを理解しましたが、いずれにしてもチャットGPT等は便利なツールだがリスクを伴うツールであるから、早めに最低限でも何某かの社内ルールを決めておいた方が良いと考えます。
「働き方改革が必要な部署や人ほど仕事を改革しようとしない」傾向が強いと思います。
これは私の昔しの体験ですが、昔し父親が経営していた会社で在庫を減す必要があると経営コンサルタントから指摘されたことが何回もありました。そして、父親も朝礼や営業会議で「在庫を減す」方針を出したり、それをスローガンにしていました。その結果、全社の在庫は社長の指示に従い減るのですが、その内容を検討してみると、在庫を減す必要がほとんど無い部署が在庫を大幅に減し、在庫を大幅に減す必要がある部署は在庫をほとんど減していないことが度々発生していました(なお、適正在庫高は売上高と利益高とのバランスから試算していました)。在庫を減すべきなのに減していない部署の責任者に詰問すると、必ず何らかの言い訳をして従来からの自分の商売のやり方を変えようとしていませんでした。
また、昔しから社長が「火事防止をしましょう」という指示を出したら、部長は「タバコの火の後始末、ガス給油塔の火の始末等に注意しましょう。総務担当者は消火器の有効期限を確認してください」等と、より具体的な指示を出し、課長は「タバコを吸う人が退社するときは机の上に灰皿を置いたママにせず灰皿を綺麗にして返却場所に返却して退社すること、ガス給油塔の火の始末は輪番制で決めるので輪番担当者が退社前に確認すること」等と、更に具体的な指示を出さなければ、社長の指示は結局はスローガンにしかすぎず実行されないと言われています。その為、スローガンで終わらさせない為には、より具体的な指示が必要となります。
以上のことを通じて、私は「会社組織全体を動かすには"トップ"による方針又はスローガンが必要だが、それを組織内部に浸透させる為には中間管理職が各部署に応じた"具体的な対策"を講じることが必要」であることを学びました。そして、これは労災事故防止にも言えることですし、長時間労働抑制などの働き方改革やハラスメント防止にも言えることだと私は思います。
さて、「働き方改革」は「働きかた改革」であると同時に「働かせ方改革」でもあります。そして、その目的は「1時間当たりの生産性」を従来より高いものにすることにあると私は理解しています。そうしなければ、人口が減り、かつ高齢化も急速に進行しつつある現状で会社の業績を維持することは難しくなる状況だからだと私は考えています。そのうえで、ご依頼がありました各社で「働き方改革」(今までは主に長時間労働対策が多かったのが実情)のお手伝い(伴走)をさせて頂いていますが、働き方改革が本当に必要な会社・部署・人ほど従来からの仕事のやり方・考え方に固執され、具体的な提案を行っても中々実行されようとしない傾向を私は感じ取っています。そして、「働き方改革」を推進しようとすると、単に時間外労働の時間数を減すだけでなく「仕事のやり方や考え方」を変える必要があるのですが、そのとき本来はトップの方針にそって具体的な対策を指示すべき中間管理職の人たちが予期せぬ抵抗勢力となることがあります。それは、中間管理職の人たちからすると、自分達が今まで慣れ親しんできた仕事やり方・考え方が変えると自らの地位が脅かされる可能性があると考えてしまうからだと思います。この表面には出てこない抵抗勢力(面従腹背)は「働き方改革」推進のときだけでなく「事業再生のお手伝い」をするときにも屡々遭遇する現象なのですが、この抵抗勢力にいかに対処していくがが成否の分かれ道となります。ただし、既に「1時間当たりの生産性」がかなり高い会社や部署や人ほど働き方改革を行いより一層「1時間当たりの生産性」を高めようとされる傾向もあります。このような部署の中間管理職の人たちは自ら率先して働き方改革を推進されるようです。
『(交通)事故の統計を取るだけでは、(交通)事故を減すことはできない』と言います。
(交通)事故を減す為には、やはり現場に行き、発生した原因を究明して、その対策を実行ことが必要ではないでしょうか?
同じようなことが"働き方改革"を推進するためにも言えると私は考えます。
勤怠管理システムを導入しても、勤怠管理システムは長時間労働などの働き方改革を阻害している原因まで教えてくれるものではありません。書籍「危機からの脱出」(出版社:㈱日経BPマーケティング )で著者:W.エドワーズ.デミングは『生産性の測定は事故統計のようなものだ。測定して問題があることは理解できるが、事故そのものについては何も語らない』と指摘しています。また同書では『変革を起こせるのは人間だけであり、ハードウェア(PC、装置、自動化、新鋭設備など)ではない』とも指摘しています。
大切なことは、集計された記録(統計)を人間がどのように判断して、どのように活用していくかではないでしょうか?
過去に私が体験したことをお話しすれば、ある会社で色々と仕事のやり方・手順の改善を行った結果として営業職の人たちの時間外労働が1名を除いて月間20時間~30時間程度まで減った事例があります。時間外労働を20時間~30時間程度まで減すことができないその1名はどうしても月間40時間~60時間となっていました。そこで会社の人にお聴きしてみると、その人は島嶼部を主に担当しているのでフェリーで移動するのに時間がかかっているということでした。そして、他の営業マンが島嶼部を担当することはほとんど無く自動車で営業活動を行っているということも分かりました。その結果、長時間労働の原因はその営業マンの仕事のやり方や手順等に問題があるというよりも、担当エリア(販売先)の決め方と島嶼部のお客様との取引きのやり方に問題があることが分かりましたので決め方と取引きの進め方を改めてもらうよう提案しました(当然のことですが、TeamsやZoom等のテレビ会議システムを利用した営業活動も紹介させて頂きました)。
原材料費や人件費が高騰する中で、働き方改革を推進する為に、会社がPCソフトや装置・機器を購入するとその経費の一部が助成される制度の利用条件が緩和されています。しかし私は「PCソフトや装置・機器を購入する」だけでは働き方改革は推進できないと考え、この助成金を利用するお手伝いするだけでなく、依頼があれば業務改善を行うためのお手伝いもさせて頂いています。
『変革を起こせるのは人間だけであり、ハードウェア(PC、装置、自動化、新鋭設備など)ではない』(書籍:危機からの脱出Ⅰ 著者:W・エドワーズ・デミングより)と言います。
40年位前にコンピューターが普及するにつれて、業務改善を目的にソフトを導入された会社が沢山ありました。しかし、折角導入したソフトを十分には活かしきれず、寧ろ業務の複雑化を招き経費を増加させたケースもありました。その結果、個別の業務ごとに最適なソフトを導入するのではなく、会社全体の業務を統合できるソフトが開発されるに至りました。
そして、石油ショック、バブル崩壊やリーマンショックの後で"ものづくりメーカー"さんは生産工程における"ムダ""ムラ""ムリ"を徹底して排除することで生き延びることに成功しました。私の地元の自動車メーカーであるマツダのスカイアクティブ生産方式について研修会で学び現場を拝見したときは、昔しからマツダの構内を知っていた私は吃驚しました。
また、生産性が低いと言われる日本のサービス業でも、私が体験したのは散髪屋さんでした。その散髪屋さん(チェーン展開され、私は労務管理に関して助言していました)は、顔の髭を剃るときに温かいタオルで顧客の顔を覆うことはせず特殊なクリームを使用して髭剃りをし、またシャンプーしてもらったときも如何にして短い時間で濡れた肌や頭髪を乾かすかということに工夫されていました。
これらの私の体験を基に「顧客の要望(値上げ防止と品質向上)を実現するためには、モノやサービスの提供工程全体における"ムダ""ムラ""ムリ"をいま一度排除し直す必要がある」と考えています(トヨタの改善活動は「乾いた雑巾を更に絞る」と聞きます)。
そして、その為には部分的な改善を目指すのではなく会社全体の仕事の流れ(業務フロー)を再検討する必要があると思います。そして更に、そのときに一番大切なことは「会社で暗黙知となっている過去からの習慣や考え方に拘らず、目的を達成する為の最適手段を選択する」こと(パラダイムシフトすること)だと考えます。そして、そのときにボトルネックとなるのは標準化されてない「属人的な業務」がある場合です。
因みに、私が事業再生(倒産しそうな会社の立て直し)のお手伝いをするとき、中小零細企業では「5S(整理・整頓・清掃・躾・清潔)運動」を徹底して行って頂きます。そうすると、リストラや資産売却のような外科的手術を行わず、それだけで利益が出始めた会社が沢山ありました。この5S運動とは、単に職場や社内を綺麗にするというだけでなく、社内に潜む"ムダ""ムラ""ムリ"を徹底的に排除し、またそれを通じて人間(経営者や従業員)に考え方の違いに気づいて頂くことにその目的があります。そして、その際には部分最適ではなく全体最適の視点を育んで頂くようにしています。
いずれにせよ、人口減少が招く人手不足や人件費の高騰が潮流(トレンド)として予測される中で、原材料費高騰や顧客ニーズなど市場の変化がある日突然に発生するカオス的な状況の昨今において、働き方改革が推進されているので、会社が存続・維持・発展を続けていくためには「会社を構成する人間の考え方をパラダイムシフトして頂き、過去の自分(自社)の成功体験に囚われず、全社的かつ中長期的視野に立ち出来る限り一貫性を保った業務改革を継続していく」しか方法は無いと私は考え、ご相談いただいた企業さまに伴走させて頂くようにしています。
政府が昇給を推奨しマスコミもそれを大々的に報道し、また各県の最低賃金もそれに伴い大幅に引き上げられた為、世を上げて昇給することが当たり前のようになっているようです。
しかし、このようなときは自社の現状を正しく把握(再確認)することが大切です。巷の中小・零細企業では最低賃金法を順守するのが精いっぱいで、とてもそれ以外に昇給を検討する余地がない企業は沢山ありますが、このような場合にこそ従来の仕事のやり方・考え方を改め、もっと1人当たり生産性が上がるやり方に変革する方が良いと思います(これを私は"脱皮する"とよんでいます)。
そして、自社の現状を正しく把握する為には、単に損益計算書(試算表等)の営業利益や経常利益が黒字か否かだけで判断してはいけないと私は考えています。何故なら、損益計算書(試算表等)はフロー(一時的なもの)に過ぎず、それだけでは会社の安全性を判断することが出来ないからです。
会社の安全性を確認する為には損益計算書(試算表等)だけではなく貸借対照表を用いて「総資本対経常利益率」「流動性比率」「当座比率」などが安全と判断できる水準に近いことを確認することが必要ですが、それが煩わしい場合に、敢えて簡単に安全性を確認しようとする場合は、純売上高平均値に対して現預金平均残高が3か月分以上(私の経験値です)あるか無いかで判断することも可能ではないかと思います。
そして、その上で(付加価値)労働分配率も安全と判断できる水準にあること、1人当たり付加価値額がどの程度あるであるか等を確認することが必要であると私は思います。よくあるケースですが、今期は儲かった(損益計算書上で利益が出た)から昇給を検討しようとしていたのだが貸借対照表をもとにして会社の安全性を確認すると、昇給を検討する余地が全くなかったということもあり、このようなときは賞与(又は支給期限付きの諸手当など基本給以外の手当)で検討した方が良いと思います。
なお、付加価値額の計算方法は色々あるのですが、私は比較的簡単な厚生労働省方(営業利益式+人件費・労務費・福利厚生費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課)で計算することをお勧めし、なおそれでも難しい場合はかなり大雑把なモノになるコトはお伝えした上で粗利益額で代用することをお勧めしています。
そして更に、「会社の総人件費=従業員数 × 1人当たり平均的賃金」ですから、従業員数が適正であるか? 人員過剰の部署と過少の部署とがないか? 一部の従業員の賃金だけが高額で他の従業員の賃金が低く抑えられている状態(=会社への貢献度とは関係なく賃金が偏っていないか)ではないか?も検討された方が良いとお話しさせて頂いています。
いずれにしても、変化が激しく、しかもその変化が突然に現れる昨今の混沌とした状況下(カオス状態又は乱気流状態)では、世の流れだけに身を任せるのではなく、自社の現状を出来る限り正しく把握し、その上で付加価値労働分配率を出来る限り適正な水準にすることができるように賃金の改定を行うことが大切ではないかと私は思います。
そして更に、賃金の改定を行う際には必ず人事評価を行い、その評価結果を改定額に反映させることで、会社への貢献度に見合う公平性が確保できるようにすること(一律昇給はしないこと)も非常に大切なことだと私は考えます。
5月にあった広島サミットでチャットGPT対策が検討されましたので、顧問契約先には5月にチャットGPTやGoogle Bard等に関する社内ルールを私から提供してリスクに備えて頂くように注意喚起し、その後各行政機関からも色々なコメントが公表されましたので、更なる知識を得るために昨日は弁護士によるWebセミナーを受講しました。
チャットGPT等は、会社の生産性を上げるためには非常に便利なツールのようですが、同時に色々なリスクを伴うツールのようです。私もまだチャットGPT等をほとんど理解していませんが、使わなければ時代に取り残されていくリスクがあり、安易に使うと法律に抵触してしまうリスクが発生するようです。昨日の講師によると、そのリスクには
(a)個人情報漏洩リスク
(b)著作権侵害リスク
(c)会社の機密情報漏洩リスク
(d)その他のリスク
等が考えられるそうです。
特に注意した方が良い点は、これらは個人でも使用することができるツールですから、会社が知らない間に従業員が業務でそれらを利用(シャドー・ユース)していたが為に、会社が法的責任を問われることもあり得るということです。私のように"新しモノ好き"の人や若い人達は面白がって安易に使ってしまう可能性があります。
昨日のセミナーで私が一番印象に残ったことは「チャットGPTとGoogle Bardとではその仕組みに若干の違いがあるもののチャットGPT等は集積されたデータの中から平均的な解を検索してくるので、その平均的な解が必ずしも正しいとは限らず、必ず正しい知識のある人間がチャットGPTの内容を検証することが必要である(講師の言葉によると"チャットGPTがウソをつく")」という点です。
また、従業員が業務上の事柄を個人のアドレスでチャットGPT等を利用していると、その従業員が退職した後に会社はモニタリングできなくなるので、会社が法的トラブル等に巻き込まれたときに非常に困難な問題に直面することになる。その為、個人のアドレスでチャットGPT等の利用する際には業務上の事柄は出来れば禁止しておいた方が良いと講師は指摘されていました。なお、会社用のチャットGPTも開発され公開されているが、それを利用するのは大企業くらいであろうから、一般的な中堅・中小企業は個人のアドレスでチャットGPTを利用することになるだろう、そのため中堅・中小企業こそリスクに備える必要があるとも話されていました。
昨日のセミナーを通じて私が以上のようなことを理解しましたが、いずれにしてもチャットGPT等は便利なツールだがリスクを伴うツールであるから、早めに最低限でも何某かの社内ルールを決めておいた方が良いと考えます。