キャリアアップ助成金

 コロナ禍が過ぎて3年ぶりにキャリアアップ助成金正社員化コースの手続きをお手伝いさせて頂きました。コロナ禍前に何度もキャリアアップ助成金を利用されていた会社さまからのご依頼でしたが、同時に3名を正社員化するのは初めてのコトでした。求人難が続く中で、有期雇用契約の従業員の中から優秀な従業員を正社員化されたようです。

 最初に、キャリアアップ計画書が有効期限内であるか否かを確認した後に、最新の申請書等の様式をダウンロードし、添付資料に変更が無いか労働局に確認に行きました。

 次に、会社から賃金台帳や出勤簿ほか申請時に必要となる各種資料と就業規則等をお預かりしました。

 ここまでは順調だったのですが、賃金台帳と給与規程の内容を確認して、コロナ禍の最中に新しい手当を設けられたり、欠勤・遅刻・早退時の賃金減額方法がコロナ前と比較するとかなり複雑になっていることに驚愕しました。

 私はキャリアアップ助成金支給申請のお手伝いをするときには、会社から提供して頂いた始業終業時刻が記録されている資料を必ず事前に村上流タイムカード集計表(Excel形式)に入力し直して、時間外労働時間数や深夜労働時間数ほかの集計に誤りが無いか? 未払賃金が発生していないか? 会社の集計方法や計算方法に間違いが無いか? 他を確認することで助成金の審査がスムーズに行われるようにしていますが、時間外労働・深夜労働・法定休日労働等による割増賃金と欠勤・遅刻・早退時の控除に誤差が多数箇所発見され戸惑ってしまいました(コロナ禍前はこんなことはなく給与計算はパーフェクトにされていた会社の担当者さまです)。

 そこで会社にお伺いして割増賃金計算や欠勤・遅刻・早退時の各手当の取扱いについて説明をしてもらいました。その結果、割増賃金の計算は新設された手当が割増賃金計算の根拠から漏れていることが分かり、欠勤・遅刻・早退時の各手当の取扱いがかなり複雑であることが分かりました。例えば、Aという手当は欠勤・遅刻・早退時に減額するが、Bという手当は欠勤のときにだけ減額し遅刻・早退のときは減額しない、Cという手当は欠勤・遅刻・早退時にも減額しない、Dという手当は欠勤のときは欠勤日数分を控除するのではなく出勤日数分を支給するコト、深夜時間帯の休憩時間数が部署によって異なるコト、法定休日の決め方が部署によって異なるコト等が分かりました。

 そして更に、前月に控除し忘れた額を翌月に控除しているケースもあることが分かりました。私が理解不能となったのは、前記のように各手当によって計算方法が異なるうえに、前月分を翌月に補正していたことが原因であることも分かりました。

 その為、私は「いまの計算方法は"木を見て森を見ず"と言われるようにして決め、給与計算事務の効率化と正確性を考慮されて無いようです。その結果、計算方法が複雑化し、集計に時間がかかり、控除モレ等も発生しています。給与計算事務を属人化しない為にも、せめて今の集計・計算ルールに統一性(ノーワークノーペイなど)をもたせて、箇条書きにして紙に書き出し、万が一のときには他の人でもその紙を見れば集計・計算できるようにしておくことが最低限でも必要ではないでしょうか?」と助言しました。

 このようなことがありましたので、今回の手続きは通常時の3倍近い時間数を必要としましたが、なんとか支給申請することが出来てホッとしています。今回の手続代行は助成金支給申請の代行というよりも給与計算方法への助言であったような気がしています。そして、上記の会社流の集計・計算方法を審査担当者が理解できるように追加資料として提出しましたが、3~4か月後に審査担当者から問い合わせの電話があることは覚悟しています。