非営利法人にはパワハラが発生し易い土壌がある!!

 今週、パワハラの相談が2件ありました。一般の会社からだけではなく病院や保育園など過去にも数件ありましたが、2件の相談ともに非営利法人でリーダーが指導したらその従業員が適応障害と診断されてしまったという内容でした。

 私は、一般社団法人、社会福祉法人、NPO組織等ではパワハラが発生し易いと思います。何故なら、一般の民間会社(民間営利企業)では「利益」が成功判断の基準とされますが、それらの組織では「何をもって成功している」と判断するのか? その判断基準が無い又は不明確だから、業務上の必要性とその程度とが極めて曖昧になっているからだと思います。そして更に、それら非営利法人には、過去に様々な体験をしている人が混在し、それぞれの人のパワハラに対する基準が異なり、ストレスに対する抵抗力(又は「脆弱性」)も人によってかなり異なる場合が多いからではないでしょうか?

 因みに、P.F.ドラッカー翁もアメリカの病院、教会、ガールスカウト本部などを事例として、非営利法人の組織運営には「何をもって成功と判断するのか?」を組織全体で共有することが大切であると指摘しています。

 その為、一般社団法人、社会福祉法人、NPO組織等では一般的なハラスメント防止対策と同時に「何をもって成功と判断するのか?」(組織の目的だけでなく1年程度の短期的で具体的な目標)を明確にすることが必要だと思います。何故なら、目標を設定する過程で参加者が十分にコミュニケーション(プライバシーに余り触れることのない共通のテーマで本音で話し合う)することで相互理解を深めることができ、しかもこれから努力すべき事柄の優先順位とその程度(水準・レベル)を共有することができると考えるからです。