管理力(狭義のマネジメント)と創造力

会社をうまく経営する為には「管理力(狭義のマネジメント)」と「創造力」とが必要であると言われています。そして「管理能力」は主に左脳で処理されるもので、「創造力」は主に右脳で処理されるものであり、この両者をバランスあるいは融合させる能力が経営者には必要であると言われます。先週、私はマサに両者のバランスを必要とされる事態に陥っていました。

先々週の金曜日に新規のご相談として「"創業促進補助金"にチャレンジしたい」というご相談がある税理士事務所から舞い込みました。この補助金は新規開業者の中から優秀なビジネス・モデルの者に最高200万円を国か補助してくれるというものです。申請書類を創るだけなら、左脳を使い書類作成に専念すれば良いのですが、この補助金の特性として"革新性、新規性"等で優劣が決せられるので、事業計画に革新性・新規性を付加することが必要となり、このときに右脳の創造力を発揮することが必要となります。

しかも、ご相談いただいた日から補助金申込み締切日まで1週間強しか猶予期間がありません。この間に広島商工会議所経由で銀行の確認印も貰う必要があるので、創業者のビジネスモデルを明確にし計画化したうえで申請書類作成を完了させなければなりません。普通ならばこのご相談は日数的に無理があるのでお断りするのですが、チャレンジ精神旺盛な私は依頼者の了解を得てチャレンジしてみたのです。この案件を進めるためには、最初に依頼者と一緒になって右脳で創造力を発揮し、その後は計画化するために左脳で論理性を発揮することが必要です。

そして悪いことに、このお話しを私が応諾した翌日に、顧問先から従業員さんとの「労働紛争」のご相談が入りました。紛争解決のためには、創造力を働かせず「法律」と「事実」を元に「双方の立ち位置」を考え論理的に左脳を使って解決していくことが大切です。このとき右脳を働かせ創造力や推測・思惑等を入れてしまうと、紛争解決の邪魔になります。そして、労働紛争の場合は話しをコジラセない為にも「チョッと今忙しいから後にしてくれ」という訳にはいきません。

前記した「補助金申請」で必要となる申請書作成には「創造力」と「創業者の現状(事実)」を元に事業を計画化することが必要であり、後記した「紛争解決」のためには「事実」と「法律」と「両者の立ち位置」を元に解決策を講じていくことが必要となります。

先週1週間は、諸届等の通常の社労士業務は若い社労士さんに協力してもらい処理しながら、私は私の頭の中を意識的に切り替えこの2案件に集中していました。そして、労働紛争が金曜日には和解合意書を交わすことになり、創業補助金書類も土曜日にクロネコ便に預けて、ホ~!! としました。