有期契約期間の終了と業務の外部委託

約3カ月前に期間満了までに習得すべき条件を明示してトライアル雇用(期間3カ月)を開始した従業員のトライアル雇用期間が2月10日で終了します。このトライアル雇用はハローワークの助成金を利用せず会社独自で行っているものです。直接の上司の意見を聴いた処、本人は習得すべき条件をほぼ習得しているようなので社員として採用しても良いという意見でした。しかし、この会社の経営者から1月末に「村上さん、〇〇部門を近い将来に外部企業に委託することを検討していることを知っておいてもらいたい。但し、このことはまだ社内では極秘なので誰にも言わないでもらいたい」という相談があったのです。トライアル雇用が終了し社員として採用されても、近い将来においてこの部門の業務が外部委託されると、この新入社員は居場所がなくなってしまいます。トライアル雇用終了時に外部委託する可能性があることを秘密にして正社員としての雇用契約を締結するのは信義則に反することになります。

そこでこの会社の経営者と相談した処、①外部委託予定企業にその部門の従業員全てを承継して貰えるように交渉しほぼ同意を得ていること、②業務の外部委託はまだ正式決定ではないが1~2カ月以内には決定実行すること、③社内で既に情報がモレて噂となっていること、を聴きました。

そこでこの経営者と相談して、新たに発行する労働条件通知書に「近い将来において当社が〇〇業務を外部委託する場合には転籍に同意することを条件とする」と明記することに同意してもらいました。