音信不通となった従業員対策

ある会社の総務から「休業中の従業員に何度電話連絡しても電話をとらないのだが、何か方法はないだろうか?」という質問がありました。 このようなご質問は年に数回はあります。一番多いのは、無断欠勤が続いたうえでの対策相談です。

方法としては、①自宅に行く、②郵便を出す、などの方法がありますが、まず最初は自宅に訪問してみことが必要です。不在であれば「会社の〇〇氏に連絡するように」と置手紙することです。電話だけだと、最近はどこからの電話かが分かるので、会社からの電話だと取らない人もいますから、余り役に立ちません。 また、後日、行政や司法の手続きを行うときにも、会社が連絡を取る努力をどこまで行ったかを問われることがあります。そのため必ず記録を取っておくことが必要です。

このようなときに、私が代行して訪問することもあります。会社の人が行っても会ってくれないことがあるからです。過去にあった事例として、会社に届け出ていた住所に行ったら、そこは公園であったということもあります。

私が行った場合は、まず郵便受けや新聞受けなど入口付近の状況を把握して、住んでいる気配があるか否かを調べます。そして、一回行って不在であれば、違う日の違う時間帯に行きます。3~4回訪問して、いずれも不在だった場合に初めて置手紙をします。そして、もし保証人か親族の連絡先が分かれば、その人に連絡し協力を要請します。

この手法で解決できなかった事例は過去1回だけです。それは、身寄りがない独身女性が一人でアパートに住んでいて、緊急入院し手術を受け、その後約1カ月間入院していたケースです。このときは1カ月後に本人が会社に連絡してきました。

今回のご相談でご自宅にお伺いした処、ご夫婦で私に対応され、ご主人が携帯電話を2週間位放置していたことが判明しました。私の目の前で夫婦喧嘩が始まりましたので、冷静にさせるために私の携帯電話で会社の総務に電話して、本人を会社に呼び出す日時を決めさせました。

今回は呆気ない解決となりましたが、いつもこうとは限りません。

一人住まいの従業員が「うつ病」に罹患して家の中に籠り、家の電気は点いているのに玄関に出てこなかったケースや何度行っても居留守を使われ会おうとしなかったケースの時には流石の私もギブアップしそうになりましたが、何とか解決させることができました。放浪癖がある従業員が行方不明になり、ご家族もその従業員の居場所を知らなかったケースもありました。

従業員が欠勤して音信不通となったり、行方不明になったりすることは稀にあります。このときには焦らずに、50日間を目安に解決を図ることがコツです。そして、最低限でも1回はご自宅まで行くことが、後日の処理ためには必要と思います。