音信不通の従業員対策

大震災でもないのに従業員と連絡が取れなくなるなんて、ある訳がない!! と思われるかも知れませんが、私は毎年数件このようなご相談を頂いています。

うつ病などの精神疾患に罹患して自宅に引き籠り連絡しなくなっている場合、不良な友達に誘われて仕事をサボリ会社に出社し難くなっている場合、一人住まいの人が病気に罹り入院してしまった場合、自宅を出るときには会社に行くと言って出るが会社は欠勤している場合・・・・色々なケースがありました。

法的手続きとしては「公示送達」云々となりますが、その手続きの煩わしさを考えると、そこまでされる会社は稀だと思います。

このような場合には、まず電話連絡を試みて、それでも駄目であれば自宅まで行くしかありません。このような処置を私にご依頼される企業もあります。最低でも2~3回は色々と違う時間帯に自宅に行き、不在であれば置手紙をする位はする必要があります。そして、少なくとも1回は書面(又は郵便物)を交付することで記録に残るようにすべきです。

今回、私にご相談いただいた案件は呆気なく解決してました。2回目に自宅に行くと本人が居て、本人は「会社の人に辞めると伝えた筈です」と言われました。会社でそれを聴いた人が会社に伝えていなかったようです。こんなことを防ぐには辞表又は退職願を必ず貰う習慣を会社に定着させることが大切です。

前回は、上司とイザコザがあった社員が自宅に引き籠ってしまっていました。このときは私が本人自宅でカウンセリングして、会社と上司との橋渡しをし、転勤させることで解決できました。

本人と話しをしたら既に転職していた場合もあります。

場合によっては、本人から辞表を提出してもらうこともあります。

また、どうしても連絡が取れない場合に備えて、就業規則に「50日以上音信不通の場合には自然退職とする」と定めておくことも必要です。尚、50日以上は民法の定め(正確には1カ月と半月)から計算された日数です。

昔のようにその日のメシに困る時代ではなくなっていますから、音信不通になる確率は昔し以上に高くなっています。