人事評価制度 と 日本版同一労働同一賃金

日本版同一労働同一賃金に関する法律が施行され格差に対する意識が高揚した為か、人事評価制度と日本版同一労働同一賃金の問題に耐えうる賃金テーブル作成のご依頼が増えています。

パート・有期雇用労働法で処遇格差を問題にしているのは、正社員とパート・有期雇用従業員との処遇格差であり正社員間の格差は問題とはしていませんが、働き方改革の流れをうけ毎月の賃金と賞与等に関しても社員が少しでも納得できる処遇にしようとされる企業さまが多いようです。

ただ、ここで注意しなければならない点は、人事評価制度を創っても、それをどのようなルールで賃金テーブルと関係づけるか(評価結果を賃金テーブルにどのように反映させるか)という点です。このルールがある程度は明瞭になっていないと社員の納得感は得られません。

また、昇給や賞与を支給する為には会社にその源資が必要ですから、会社の資金余力も考えながら評価制度や賃金テーブルを創ることも必要です。その為、ご依頼があると私は最初に決算書や試算表を拝見させて頂いています。

村上流の手順は、会社の人(特に社長さま)と一緒になって、その会社専用の評価制度と賃金テーブルのモデルを2か月程度で創りあげ、その後に試行を繰り返してブラシュアップさせていきます。得てして最初から完全なモノを創ろうとされる会社が多いのですが、変化の激しい時代(特にユーザーの価値観の変化)となり、会社がその変化に適応して行く対策を講じていく為には柔軟性が必要です。その為、会社のご希望をお聴きしながらほぼ満足できるモノをまず創って、それを試行することで評価者訓練も同時に行い、精度をより高めていくようにしています(まさに協働作業です)。そして、複雑なモノを創っても運用できなくなる場合が多いですから、「Simple is Best」 を心がけています。