在庫管理と懲戒処分

決算時の在庫が約200万円合わない小さな支店の責任者に対する賞罰委員会が開催されるので同席しました。会社の事実調査はほぼ終わりましたが、犯人が特定できないのです。そこで支店の責任者に詰問することになったのですが、結局、犯人は分からず仕舞いとなってしまいました。

「疑わしきは罰せず」の原則通り、犯人が特定できないため懲戒処分することはできません。しかし200万円の在庫が合わないことは事実ですから無視する訳にはいきません。

そこで、支店責任者の職務怠慢ということで、賞与時の評価査定を低くせざるを得ないという結論に到りました。この点は本人も納得していました。

パソコンによる計算在庫を鵜呑みにして、実地棚卸を毎月しないからこんな無様なことになるのだと思います。私も昔しは雑貨卸商をやっていましたから、棚卸しの大変さは骨身に染みていますが、工夫と改善を繰り返していくうちに、2日かがりだった棚卸しが半日でできるようになりました。

「当たり前のことを当たり前のこととして出来なくなったときに会社は変になっていく」と言いますが、この会社は正にその状態に陥っているようです。今回の事件を良い勉強材料だったと考えて早く毎月棚卸しを行うようになられると良いのですがネ!! このままだと、もっと重大な事件が発生してしまうような気がします。

この賞罰委員会のときに私はICコーダーで録音していたのですが、途中で録音するのを止めてくれと頼まれました。こんな経験も初めてのことです。録音は会社側と容疑者の両方を守るために行っているのですが、この会社ではそれが通じないのです。録音されると発言できないような発言であれば賞罰委員会で発言しない方が良いと思います。普段はよほど無責任な発言を繰り返しているのでしょうか?

私は「厳しいけど優しい会社」は好きですが、「甘くていい加減な会社」は嫌いなのです。