どんな企業が生き延びる?

 私の顧問先で創業140周年を迎えた企業があり、「継続は力なり」と言いますから、これは素晴らしいことだと思います。

 一方、帝国データバンクによると令和5年広島県の倒産件数は176件で4年ぶりの増加となったそうです。特に小売業、建設業、サービス業などの負債総額 5,000万円以下の中小零細企業の倒産が目立ち、今後とも企業の休廃業や解散等が懸念されるそうです。そして、その原因として①物価上昇、②人手不足を挙げています。

 進化論で有名なダーウィンは「"強いもの"や"賢いもの"が生き延びるのではない。環境の変化にうまく対応できたものが生き延びるのだ。」と明言しています。

 そして、自動車メーカーのメルセデスベンツは「我々は伝統を守るために変革し続けなければならない」と言っています。

 そして中国の諺では「一人の人間によって国(企業)は起こり、一人の人間によって国(企業)は滅びる」といいます。

 そして更に、100年以上続く会社では「誰を船に乗せ、誰は船に載せないかを決めることが重要である」と言われています。

 ところで、中小零細企業は小規模であるが故に環境変化に対応し易いのではないかと思いますがどうもそうではないようです。私もバブル崩壊後に会社を倒産させてしまった元経営者ですが、その後いろいろな会社の事業再生をお手伝いし「①会社は資金(キャッシュフロー)が続き、②経営者の気力が維持できれば倒産しないこと、③会社存続を左右するのは"人(ヒト)"であること」を学びました。そして資金(キャッシュフロー)に余力があるうちに環境の変化にいかに対応していくかが非常に重要であることを学びました。

 一方、私が今まで支援した新規開業のベンチャー企業さまでは、当初の目論見通りに成功する確率は低く、当初の目論見を実際の顧客のニーズに合わせて変容させ、また環境の変化に俊敏機敏に対応することで成功への道筋を切り開いていかれることが多いようです。

 「コロナ後の経営環境がコロナ前の状態に戻ることは無い(ユーザー意識と生活習慣が変わってしまった)」といいますから、過去からの思い込みや慣習から脱却し、労働諸法の改正への対応も含めたコロナ後の経営環境に如何に対応していくのかが非常に重要になっているようです。