会社のための社会保険労務士(MSR)!!                   悩む、迷うより先に相談を!!

悩みや問題を解決するお手伝いをして『より良い会社になって頂くこと』がMSRの使命(ミッション)であると考えています。

MSRは、経営者としての経験と、その後に体系的に学習したことを基に、 「経営者の視点」「法律家の視点」「経営コンサルタントの視点」から助言し、

ご依頼があれば経営者に寄り添い、一緒になって会社の問題や課題を解決していきます。

誠実」「真摯」「迅速」な「貢献」を信条としています。

原則は「Simple is Best

 

特定社会保険労務士

個人情報保護認定事業所 ( SRP Ⅱ ) 認証番号1600125

広島商工会議所会員

 

( 連 絡 先 ) 代表電話:082-222-9122   mail:k.m▲crux.ocn.ne.jp (▲マークを@に変換)

(事務所所在地) 〒730-0012 広島市中区上八丁堀 7-1 ハイオス広島

(営業時間) 8:00~20:00 年中無休   ( 休日もご遠慮なくご相談ください )

   代表電話は受付の都合で平日の9:00~17:30の間しかつながりません。その後及び土日祝日はメールでお問い合わせください。

 なお、Teams / Zoom等によるテレビ会議を使用したご相談も承っています

 

(氏名) 村上 公政   (最終学歴) 慶応義塾大学 経済学部 加藤寛ゼミ

(所属) 広島県社会保険労務士会       (開業) 平成14年12月

 

他の社労士のほか、他の士業(弁護士、司法書士、税理士)等と連携して、それぞれの得意分野、専門分野を活かしながら案件を処理していく場合があります。その場合にはご依頼者から予めご了解を頂きます。

次のような経営者の方は是非ご相談ください。初回のご相談は無料!!  着手するまで料金は不要!

  • 会社の現状(問題や課題)を打破する対策を考えたい方(経営の革新や改善を図りたい方)
  • 社内の「働き方改革」を推進されたい方
  • 自社の労務管理方法の妥当性をチェックし、より良い会社経営を目指したい方
  • 就業規則や社内諸規則を改正(制定)したい方
  • 従業員とのトラブル(個別労働紛争)を解決したい方
  • 給与体系、退職金制度などを再検討したい方
  • 人事評価制度、社内教育訓練を再検討したい方
  • 経営や社内事務を合理化して、業務効率化と経費節減を図りたい方
  • 給与計算事務を外注して社内業務の効率化を図り、未払賃金の発生を防止したい方
  • 労働基準監督署、労働局、日本年金機構の調査を受けるが、どうしたら良いか分らない方
  • 助成金・補助金を利用されたい方
  • どこに相談したら良いかわからない会社の問題で悩んでいる方

どんな企業が生き延びる?

 私の顧問先で創業140周年を迎えた企業があり、「継続は力なり」と言いますから、これは素晴らしいことだと思います。

 一方、帝国データバンクによると令和5年広島県の倒産件数は176件で4年ぶりの増加となったそうです。特に小売業、建設業、サービス業などの負債総額 5,000万円以下の中小零細企業の倒産が目立ち、今後とも企業の休廃業や解散等が懸念されるそうです。そして、その原因として①物価上昇、②人手不足を挙げています。

 進化論で有名なダーウィンは「"強いもの"や"賢いもの"が生き延びるのではない。環境の変化にうまく対応できたものが生き延びるのだ。」と明言しています。

 そして中国の諺では「一人の人間によって国(企業)は起こり、一人の人間によって国(企業)は滅びる」といいます。

 そして更に、100年以上続く会社では「誰を船に乗せ、誰は船に載せないかを決めることが重要である」と言われています。

 そして、自動車メーカーのメルセデスベンツは「我々は伝統を守るために変革し続けなければならない」とも言っています。

 ところで、中小零細企業は小規模であるが故に環境変化に対応し易いのではないかと思いますがどうもそうではないようです。私もバブル崩壊後に会社を倒産させてしまった元経営者ですが、その後いろいろな会社の事業再生をお手伝いし「①会社は資金が続く限き、②経営者の気力が維持できれば倒産しないこと、③会社存続を左右するのは"人(ヒト)"であること」を学びました。そして資金に余力があるうちに環境の変化にいかに対応していくかが非常に重要であることを学びました。

 一方、私が今まで支援した新規開業のベンチャー企業さまでは、当初の目論見通りに成功する確率は低く、当初の目論見を実際の顧客のニーズに合わせて変容させ、また環境の変化に俊敏機敏に対応することで成功への道筋を切り開いていかれることが多いようです。

 「コロナ後の経営環境がコロナ前の状態に戻ることは無い(ユーザー意識と生活習慣が変わってしまった)」といいますから、過去からの思い込みや慣習から脱却し、労働諸法の改正への対応も含めたコロナ後の経営環境に如何に対応していくのかが非常に重要になっているようです。

 

Excelシートから直接メール

 仕事の必要性から「IF関数」「VLookUP関数(又はXLookUP関数)」「DatedIF関数」「深夜勤務時間数を集計するMIXMAN関数」「HyperLink関数」ほかExcelの関数やマクロ機能を業務で頻繁に使用することが多いのですが、今回はある会社さまに「関数の入ったセルをクリックするだけでExcelで作成した資料をメール送信ができる簡単な関数」をレクチャーしました。

 業務(営業)日報、発注書、見積書、年次年次有給休暇申請書、残業申請書、遅刻早退届など、ある程度は定型的な報告書や申請書の書式を特定の人又は部署に複数回送信する作業をストレスなく無駄なく行うようにすることが目的でした。簡単な書式であれば、LineWorksのアンケート機能などを利用すればできるのですが、その会社さまは必要に応じて項目追記できるようにされたいらしく、LineWorksのアンケート機能などでは満足されずExcelで作成した独自の資料を使用されたいというご希望でした。

 送信先が決まっている比較的定型的なフォームの資料を送信する際に、通常は

①Excelで定型的なフォームに入力する・・・>(このときに必要な項目を追記することもある)。

②それを一端は保存する。

③メールを送信するアプリを立ち上げる。

④送信先をアプリで指定する。

⑤メールの件名を入力する。

⑥メールの本文を入力する。

⑦①で保存したExcelデータをメールに添付する。

⑧メールを送信する。

という手順で行いますが、この関数を予め定型的フォームのExcelシートに入力しておくと

①Excelで定型的なフォームに入力する・・・>(このとき、必要な項目を追記することもある)。

②関数が入力してあるセルをクリックする。

③Excelデータをメールに添付する(件名と本文はメールに表示されるので入力不要)。

④メールを送信する。

の手順で完了しますから、PC操作の煩わしさからくるストレスと所要時間とを軽減することができます。

 これにより節約される作業時間は微々たるものですが、私は会社責任者が「他にも使い方があるか考えてみる」と言われたことが一番嬉しかったです。

 私はIT専門家ではありませんからイキなり全社の業務改革という大きな歯車は回せませんが、小さな歯車を回し始めることで業務改革という歯車を回し始めて働き方改革の一助となれば幸いと考えています。

昇給ブーム (?) の中で大切なこと

 政府主導型で生活防衛の観点から「昇給させること」が潮流のようになっています。

 従業員を昇給させることは生活が少しは楽になり大変に良いことだと思いますが、この状況下で大切なことは、会社経営という視点を忘れずに、

   ①会社の労働分配率(≒人件費比率)を安全水準に保つこと

   ②均等ではなく均衡が図られた昇給にするため人事評価の結果に従った昇給とすることの2点ではないかと私は考えます。

 今回は従業員の生活防衛的な昇給のニュアンスが強いと思うのですが、会社経営がおかしくなってしまっては従業員の生活を守ることができなくなります。

 ①のために、会社経営の視点から、賞与を含めた労働分配率(労務比率分配)方式を導入して人件費の総予算を決め、

 ②のために、個別昇給額決定の支店から、各自の役割を明確にし、その役割に対する本人の「行動」と「成果」を評価し昇給額に反映させること

が必要ではないかと思います。

 日本の労働緒法では、賃金(特に基本給)を減額することに対して極めて難しい判定を下す傾向がありますから、他社の動向や地域相場は注意することは必要ですが、なんとなく潮流だからといって何の基準もなく、ただ何となく昇給を決めることは禍根を残すことにも為りかねないので止めた方が良いと考えます。

 そして、京セラ稲盛翁の言葉に「売上を最大に、経費を最小に」というのがありますが、昇給の源資を捻出するために「売上増加」又は「業務の改善/改革」を通じて1時間当たりの生産性を高め費用の最小化を図ることを通じて会社業績を改善していくことが必然となることを失念しないようにすべきだと考えます。

職務給化より評価制度の構築が大事

 私は「職務給」にするよりも「評価制度」を再構築する方が大切と考えます。欧米では「 職務給」の動きが始まっています。会社の課題や問題等を解決して会社を発展させる為の方針(戦略)や目標を反映させることができる評価制度を構築することがいま必要なのではないでしょうか ?

 「人は石垣、人は城」と言われますが、デジタル社会が到来し、職務内容も変わりつつある昨今の状況下で会社を維持/発展させようとすると、従業員(人)が経営の要となります。この状況下で職務給にして職務を固定化してしまうと変化に適応できなくなる可能性(硬直化)があります。

 日々刻々と変化する状況下で、会社の課題や問題を明らかにし、それらを解決する為に会社の方針(戦略)/目標/計画を立案・実行・修正し、マーケットの変化の適応していくことが必要な昨今ですから、評価制度も会社が立案した方針(戦略)/目標/計画に対する従業員の「行動」と「成果」を中心に評価していくことが大切だと私は考えます。

 結果として、年功給/職能給/業績給/職務給の何れでもなく、評価を基にした給与体系(役割給)が出来上がることになります。

 そして私がお勧めする人事評価制度は、本人が果たすべき役割に対する「② 行動評価」「③ 成果評価」と「① 基礎的評価」で構成しています。なお、「① 基礎的評価」とは法律、会社の規則やルールを遵守(チームワークを含む)しているかを評価し、それを給与体系(役割給)に反映させていくことを目的としています。

コロナ ゼロゼロ融資と事業再生

 「コロナ ゼロゼロ融資」を利用していた会社から「廃業することに決めた」というご連絡がありました。この会社との顧問契約は無く、自社では処理できない手続きを1年に1~2度程度依頼されていた会社なので私も会社内情を把握していませんでした。

 このような連絡があった場合、通常の私であれば事業再生のご相談を始めますが、この会社は既に税理士と打合せを繰り返した上で判断された訳であり、社長は「もう会社を継続させることは無理だ!! 」と決断され、従業員さん達にもその旨を話されていました。その為、残念なコトですが私は事業再生の対応はせず従業員さん達を出来る限りトラブルなく退職してもらう手続きに専念することにしました。

 日本企業の特徴として、事業再生の相談の際に多いのは(社外に会社内情を知られるコトは拙いと考え)ギリギリまで自分達だけで何とかしようと努力し、どうしようも無くなってから相談に来られる場合が多いことが挙げられます。しかし、このようなタイミングでのご相談は、企業体力を殆ど消耗し尽くしていることが多く、講じることが出来る対策がほとんど無いことが多々あります。その為、会社経営に変調が発生したら速やかに社外の専門家に相談されることをお勧めします。病気でも早期に通院して医師に相談すると比較的早く回復しますが、重度状態になってから通院すると医師も治療が難しく回復に時間がかかったり、最悪の場合には治療できない状態となることがあります。定期的に専門家(医師)の健康診断を受けるか、変調に気づいたら速やかに専門家(医師)に相談することが大切です。

 そして、これは私自身の体験ですが、会社が倒産の危機に瀕し事業を再生させようとするならば「をかき、をかき、義理を欠かなければ事業の再生はできない」と言われています。事業を再生することを諦めてしまっては汗・恥・義理を欠くことから逃避してしまいます。

 この会社の社長は「コロナ ゼロゼロ融資」の「借換制度」のことも税理士から聞かれていましたが、コロナ緊急事態が解除された後も業績は一向に改善せず低迷したママであり、仮に借り換えしたとしても今後返済できる見込みがないと判断され廃業しようと決断されたようです。

 別件ですが、コロナ後遺症から立ち直れず大手企業に吸収された企業がありました。また更に別件ですが、コロナ緊急事態が発生した直後に雇用調整助成金の手続依頼をされた会社さまから私は過去の決算内容を教えて頂き、既に銀行からリスケ支援を受けていることが分かり、また業績を回復させる手立ても無い状況であることか分かりましたので、社長が希望されるのであれば雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金の手続きを代行するけれども、そんな延命措置をしても傷口(借金)を大きくするだけだから廃業/売却することも視野に入れた方が良いと提案したこともありました。そして数年後に噂で聞いた処によるとこの会社は売却されたとのことでした。

 一方では、相談されたり私が気づいたタイミングが早かった為、事業を再生させることができた企業さまや、事業規模を大幅に縮小したり業種転換して先代から引き継いだ会社屋号だけは残すことが出来たケースもありました。

 コロナ最中に企業経営を継続させることは極めて難しかったと思いますが、コロナ後には原材料費を含む諸物価が急騰し、消費者の生活防衛に対する意識が高まった結果として生活習慣が変わり、コロナ緊急事態が終焉したからといって生活習慣(購買習慣)はコロナ前の状態には戻りません。そして事業を再び軌道に載せようとすると想像以上の資金と労力とが必要になるものです。このような場合にご依頼があれば、私は「私が過去に体験した倒産後の辛い思いはさせたくない」との考えから、会社の人達と私が一緒になって会社を存続/維持/発展させることができる方策を検討/実行していくようにしています。

 P.F.ドラッカー翁も「企業は変化適応業である」は言われていますが、企業の存続・維持・発展を期するならば過去の実績/方法/考え方に捕らわれず変化に適応していくこと、視野を広げるために社外の専門家を活用することが大切だと考えます。

 そして、このことは令和6年4月1日から労基法の残業時間数上限規制の対象となる「建設業」「運輸業」「医療業界」でも同様のことが言えるのではないかと私は思います。過去から自社に染着いていた「バイアス」から抜け出すことは自社だけでは難しいのです。

 

 

 

 

 

どんな企業が生き延びる?

 私の顧問先で創業140周年を迎えた企業があり、「継続は力なり」と言いますから、これは素晴らしいことだと思います。

 一方、帝国データバンクによると令和5年広島県の倒産件数は176件で4年ぶりの増加となったそうです。特に小売業、建設業、サービス業などの負債総額 5,000万円以下の中小零細企業の倒産が目立ち、今後とも企業の休廃業や解散等が懸念されるそうです。そして、その原因として①物価上昇、②人手不足を挙げています。

 進化論で有名なダーウィンは「"強いもの"や"賢いもの"が生き延びるのではない。環境の変化にうまく対応できたものが生き延びるのだ。」と明言しています。

 そして中国の諺では「一人の人間によって国(企業)は起こり、一人の人間によって国(企業)は滅びる」といいます。

 そして更に、100年以上続く会社では「誰を船に乗せ、誰は船に載せないかを決めることが重要である」と言われています。

 そして、自動車メーカーのメルセデスベンツは「我々は伝統を守るために変革し続けなければならない」とも言っています。

 ところで、中小零細企業は小規模であるが故に環境変化に対応し易いのではないかと思いますがどうもそうではないようです。私もバブル崩壊後に会社を倒産させてしまった元経営者ですが、その後いろいろな会社の事業再生をお手伝いし「①会社は資金が続く限き、②経営者の気力が維持できれば倒産しないこと、③会社存続を左右するのは"人(ヒト)"であること」を学びました。そして資金に余力があるうちに環境の変化にいかに対応していくかが非常に重要であることを学びました。

 一方、私が今まで支援した新規開業のベンチャー企業さまでは、当初の目論見通りに成功する確率は低く、当初の目論見を実際の顧客のニーズに合わせて変容させ、また環境の変化に俊敏機敏に対応することで成功への道筋を切り開いていかれることが多いようです。

 「コロナ後の経営環境がコロナ前の状態に戻ることは無い(ユーザー意識と生活習慣が変わってしまった)」といいますから、過去からの思い込みや慣習から脱却し、労働諸法の改正への対応も含めたコロナ後の経営環境に如何に対応していくのかが非常に重要になっているようです。

 

Excelシートから直接メール

 仕事の必要性から「IF関数」「VLookUP関数(又はXLookUP関数)」「DatedIF関数」「深夜勤務時間数を集計するMIXMAN関数」「HyperLink関数」ほかExcelの関数やマクロ機能を業務で頻繁に使用することが多いのですが、今回はある会社さまに「関数の入ったセルをクリックするだけでExcelで作成した資料をメール送信ができる簡単な関数」をレクチャーしました。

 業務(営業)日報、発注書、見積書、年次年次有給休暇申請書、残業申請書、遅刻早退届など、ある程度は定型的な報告書や申請書の書式を特定の人又は部署に複数回送信する作業をストレスなく無駄なく行うようにすることが目的でした。簡単な書式であれば、LineWorksのアンケート機能などを利用すればできるのですが、その会社さまは必要に応じて項目追記できるようにされたいらしく、LineWorksのアンケート機能などでは満足されずExcelで作成した独自の資料を使用されたいというご希望でした。

 送信先が決まっている比較的定型的なフォームの資料を送信する際に、通常は

①Excelで定型的なフォームに入力する・・・>(このときに必要な項目を追記することもある)。

②それを一端は保存する。

③メールを送信するアプリを立ち上げる。

④送信先をアプリで指定する。

⑤メールの件名を入力する。

⑥メールの本文を入力する。

⑦①で保存したExcelデータをメールに添付する。

⑧メールを送信する。

という手順で行いますが、この関数を予め定型的フォームのExcelシートに入力しておくと

①Excelで定型的なフォームに入力する・・・>(このとき、必要な項目を追記することもある)。

②関数が入力してあるセルをクリックする。

③Excelデータをメールに添付する(件名と本文はメールに表示されるので入力不要)。

④メールを送信する。

の手順で完了しますから、PC操作の煩わしさからくるストレスと所要時間とを軽減することができます。

 これにより節約される作業時間は微々たるものですが、私は会社責任者が「他にも使い方があるか考えてみる」と言われたことが一番嬉しかったです。

 私はIT専門家ではありませんからイキなり全社の業務改革という大きな歯車は回せませんが、小さな歯車を回し始めることで業務改革という歯車を回し始めて働き方改革の一助となれば幸いと考えています。

昇給ブーム (?) の中で大切なこと

 政府主導型で生活防衛の観点から「昇給させること」が潮流のようになっています。

 従業員を昇給させることは生活が少しは楽になり大変に良いことだと思いますが、この状況下で大切なことは、会社経営という視点を忘れずに、

   ①会社の労働分配率(≒人件費比率)を安全水準に保つこと

   ②均等ではなく均衡が図られた昇給にするため人事評価の結果に従った昇給とすることの2点ではないかと私は考えます。

 今回は従業員の生活防衛的な昇給のニュアンスが強いと思うのですが、会社経営がおかしくなってしまっては従業員の生活を守ることができなくなります。

 ①のために、会社経営の視点から、賞与を含めた労働分配率(労務比率分配)方式を導入して人件費の総予算を決め、

 ②のために、個別昇給額決定の支店から、各自の役割を明確にし、その役割に対する本人の「行動」と「成果」を評価し昇給額に反映させること

が必要ではないかと思います。

 日本の労働緒法では、賃金(特に基本給)を減額することに対して極めて難しい判定を下す傾向がありますから、他社の動向や地域相場は注意することは必要ですが、なんとなく潮流だからといって何の基準もなく、ただ何となく昇給を決めることは禍根を残すことにも為りかねないので止めた方が良いと考えます。

 そして、京セラ稲盛翁の言葉に「売上を最大に、経費を最小に」というのがありますが、昇給の源資を捻出するために「売上増加」又は「業務の改善/改革」を通じて1時間当たりの生産性を高め費用の最小化を図ることを通じて会社業績を改善していくことが必然となることを失念しないようにすべきだと考えます。

職務給化より評価制度の構築が大事

 私は「職務給」にするよりも「評価制度」を再構築する方が大切と考えます。欧米では「 職務給」の動きが始まっています。会社の課題や問題等を解決して会社を発展させる為の方針(戦略)や目標を反映させることができる評価制度を構築することがいま必要なのではないでしょうか ?

 「人は石垣、人は城」と言われますが、デジタル社会が到来し、職務内容も変わりつつある昨今の状況下で会社を維持/発展させようとすると、従業員(人)が経営の要となります。この状況下で職務給にして職務を固定化してしまうと変化に適応できなくなる可能性(硬直化)があります。

 日々刻々と変化する状況下で、会社の課題や問題を明らかにし、それらを解決する為に会社の方針(戦略)/目標/計画を立案・実行・修正し、マーケットの変化の適応していくことが必要な昨今ですから、評価制度も会社が立案した方針(戦略)/目標/計画に対する従業員の「行動」と「成果」を中心に評価していくことが大切だと私は考えます。

 結果として、年功給/職能給/業績給/職務給の何れでもなく、評価を基にした給与体系(役割給)が出来上がることになります。

 そして私がお勧めする人事評価制度は、本人が果たすべき役割に対する「② 行動評価」「③ 成果評価」と「① 基礎的評価」で構成しています。なお、「① 基礎的評価」とは法律、会社の規則やルールを遵守(チームワークを含む)しているかを評価し、それを給与体系(役割給)に反映させていくことを目的としています。

コロナ ゼロゼロ融資と事業再生

 「コロナ ゼロゼロ融資」を利用していた会社から「廃業することに決めた」というご連絡がありました。この会社との顧問契約は無く、自社では処理できない手続きを1年に1~2度程度依頼されていた会社なので私も会社内情を把握していませんでした。

 このような連絡があった場合、通常の私であれば事業再生のご相談を始めますが、この会社は既に税理士と打合せを繰り返した上で判断された訳であり、社長は「もう会社を継続させることは無理だ!! 」と決断され、従業員さん達にもその旨を話されていました。その為、残念なコトですが私は事業再生の対応はせず従業員さん達を出来る限りトラブルなく退職してもらう手続きに専念することにしました。

 日本企業の特徴として、事業再生の相談の際に多いのは(社外に会社内情を知られるコトは拙いと考え)ギリギリまで自分達だけで何とかしようと努力し、どうしようも無くなってから相談に来られる場合が多いことが挙げられます。しかし、このようなタイミングでのご相談は、企業体力を殆ど消耗し尽くしていることが多く、講じることが出来る対策がほとんど無いことが多々あります。その為、会社経営に変調が発生したら速やかに社外の専門家に相談されることをお勧めします。病気でも早期に通院して医師に相談すると比較的早く回復しますが、重度状態になってから通院すると医師も治療が難しく回復に時間がかかったり、最悪の場合には治療できない状態となることがあります。定期的に専門家(医師)の健康診断を受けるか、変調に気づいたら速やかに専門家(医師)に相談することが大切です。

 そして、これは私自身の体験ですが、会社が倒産の危機に瀕し事業を再生させようとするならば「をかき、をかき、義理を欠かなければ事業の再生はできない」と言われています。事業を再生することを諦めてしまっては汗・恥・義理を欠くことから逃避してしまいます。

 この会社の社長は「コロナ ゼロゼロ融資」の「借換制度」のことも税理士から聞かれていましたが、コロナ緊急事態が解除された後も業績は一向に改善せず低迷したママであり、仮に借り換えしたとしても今後返済できる見込みがないと判断され廃業しようと決断されたようです。

 別件ですが、コロナ後遺症から立ち直れず大手企業に吸収された企業がありました。また更に別件ですが、コロナ緊急事態が発生した直後に雇用調整助成金の手続依頼をされた会社さまから私は過去の決算内容を教えて頂き、既に銀行からリスケ支援を受けていることが分かり、また業績を回復させる手立ても無い状況であることか分かりましたので、社長が希望されるのであれば雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金の手続きを代行するけれども、そんな延命措置をしても傷口(借金)を大きくするだけだから廃業/売却することも視野に入れた方が良いと提案したこともありました。そして数年後に噂で聞いた処によるとこの会社は売却されたとのことでした。

 一方では、相談されたり私が気づいたタイミングが早かった為、事業を再生させることができた企業さまや、事業規模を大幅に縮小したり業種転換して先代から引き継いだ会社屋号だけは残すことが出来たケースもありました。

 コロナ最中に企業経営を継続させることは極めて難しかったと思いますが、コロナ後には原材料費を含む諸物価が急騰し、消費者の生活防衛に対する意識が高まった結果として生活習慣が変わり、コロナ緊急事態が終焉したからといって生活習慣(購買習慣)はコロナ前の状態には戻りません。そして事業を再び軌道に載せようとすると想像以上の資金と労力とが必要になるものです。このような場合にご依頼があれば、私は「私が過去に体験した倒産後の辛い思いはさせたくない」との考えから、会社の人達と私が一緒になって会社を存続/維持/発展させることができる方策を検討/実行していくようにしています。

 P.F.ドラッカー翁も「企業は変化適応業である」は言われていますが、企業の存続・維持・発展を期するならば過去の実績/方法/考え方に捕らわれず変化に適応していくこと、視野を広げるために社外の専門家を活用することが大切だと考えます。

 そして、このことは令和6年4月1日から労基法の残業時間数上限規制の対象となる「建設業」「運輸業」「医療業界」でも同様のことが言えるのではないかと私は思います。過去から自社に染着いていた「バイアス」から抜け出すことは自社だけでは難しいのです。