昇給ブーム (?) の中で大切なこと

 政府主導型で生活防衛の観点から「昇給させること」が潮流のようになっています。

 従業員を昇給させることは生活が少しは楽になり大変に良いことだと思いますが、この状況下で大切なことは、会社経営という視点を忘れずに、

   ①会社の労働分配率(≒人件費比率)を安全水準に保つこと

   ②均等ではなく均衡が図られた昇給にするため人事評価の結果に従った昇給とすることの2点ではないかと私は考えます。

 今回は従業員の生活防衛的な昇給のニュアンスが強いと思うのですが、会社経営がおかしくなってしまっては従業員の生活を守ることができなくなります。

 ①のために、会社経営の視点から、賞与を含めた労働分配率(労務比率分配)方式を導入して人件費の総予算を決め、

 ②のために、個別昇給額決定の支店から、各自の役割を明確にし、その役割に対する本人の「行動」と「成果」を評価し昇給額に反映させること

が必要ではないかと思います。

 日本の労働緒法では、賃金(特に基本給)を減額することに対して極めて難しい判定を下す傾向がありますから、他社の動向や地域相場は注意することは必要ですが、なんとなく潮流だからといって何の基準もなく、ただ何となく昇給を決めることは禍根を残すことにも為りかねないので止めた方が良いと考えます。

 そして、京セラ稲盛翁の言葉に「売上を最大に、経費を最小に」というのがありますが、昇給の源資を捻出するために「売上増加」又は「業務の改善/改革」を通じて1時間当たりの生産性を高め費用の最小化を図ることを通じて会社業績を改善していくことが必然となることを失念しないようにすべきだと考えます。