雇用調整助成金と緊急雇用安定助成金の遅れ

コロナ感染症対策として従業員さん達を休業させている企業の雇用調整助成金と緊急雇用安定助成金の手続きを今年5月から毎月行っています。

第一回目の申請として5月や6月に申請したモノは各社とも1か月少々で入金となりました。しかし、7月以降に申請したモノは8月20日になっても、まだどの企業にも入金されません。政府は「1か月以内の入金となるよう努力する」と公表しましたが、達成できたのは6月申請分までのようです。

各社からの問合せが盆以降にありましたので、労働局に問い合わせてみましたが、審査件数が異常な件数であり、審査も大幅に遅れているので、入金が何日頃になるか予測できないという回答でした。

「待つ」しか無い実情ですが、既にコロナ禍が始まり3か月以上が経過したので、各企業とも手元流動性がかなり減っており、中には危機的状況に陥っている企業も出始めています。

中小・零細企業や個人経営の場合であれば、経営者個人の現預金を流用することも可能ですが、人数が多い中堅企業以上の会社では金額が多額なため個人の現預金を流用するという訳にもいきません。

企業は赤字でも直ぐに倒産することは稀ですが、現預金(流動性資金)が枯渇すると即死する場合が多いようです。倒産しそうな会社から事業再生の依頼があったとき、私は一番最初に資金繰表を創り(又は調べ)、企業の余命を予測した上で事業再生の手順を決めていきます。そのとき一番手を焼くのが、入金が大きく振れてしまう企業(入金予測が難しい企業)です。そして、最も恐ろしいのは「日本人の特性として最後まで突っ込んでしまい、ニッチもサッチも行かなくなってしまう(打つ手立てがなく自然死を待つしかない)場合が多い」ということです。このような状態に陥る企業を少しでも減すことができるように、せめて助成金は出来る限り一定の予測可能なサイクルで入金されるように努力して貰いたいものだと思います。

ただし、このような状況下で、しかもコロナ禍も終息の目処が立たない状況ですから、企業も自らの努力で生き延びる為の対策を講じていくことが必要です。そして、その時に特に注意しなければならない点は、コロナ禍と猛暑の為に消費者の嗜好と購買パターンが変化してしまったから、今までと同じ営業努力をしても良い成果を挙げることは難しいということです。

PFドラッカー翁が言われてたように「企業は変化適応業である」ということを忘れてはならないと思います。

日本版同一労働同一賃金による法改正に対応するために生産性を高めるよう働き方改革を推し進めるだけでなく、変化した顧客に上手く対応できるように、仕事に対する考え方・やり方等を変えていくことが必要になりました。いまこそ、「顧客は誰か?」「顧客にとって価値あるものは何か?」「自社の使命(ミッション)は何か?」「自社にとっての成果は何か?」「その為の自社の計画は何か?」と問い続けること(PFドラッカーの「5つの質問」より)が必要なときのようです。こだわるべきは「モノ」「やり方」ではなく「顧客」であり、留意すべきは「顧客の変化」だと私は考えます。

私の基本原則は現地現物現場主義ですが、コロナ禍のお陰でスカイプを利用したテレビ会議システムで企業さまや弁護士との打ち合わせができるようになりました(相手企業側でセキュリティの関係からアクセス制限している場合が多かった)。ただし、これは現地現物現場主義を補い今までよりも密なコミュニケーションが図れるようにする為の手段で、現地現物現場主義に代わるべきモノでは無いと考えています。