会社の精神疾患対策 高尾式メソッド

従業員が"うつ病"などの精神疾患に罹患し休業(休職)した場合の対処方法に会社が戸惑うことが多いようです。患者本人との接し方、医師との接し方等々・・・従業員自身の精神状態が異常であるために会社は戸惑うことばかりです(振り回されて、周囲の従業員までもが疲弊してしまうことが多いようです)。しかも医師の診断書にも"適応障害"など病気なのか? それとも単なる症状なのか?がハッキリしないものが多見される処です。企業に課せられている"安全配慮義務"が誤解されていたり、罹患した従業員本人の権利の濫用(本当は権利ではないのに・・・)があったり、かといって企業としてはこの度社会問題になっている電通自殺事件のような事件となっては困ると考え慎重に期そうとするにも知識が余りにも不足している為に本人に振り回されて周囲の従業員(特に上司)が疲弊してしまったりしていることが多々あります。

私の顧問先では約5年前位からその傾向が顕著に現れ(ピークは3~4前のようでした)、その相談があるものの対処が個別対応にならざるを得なかったため、私の助言に曖昧さがありました。また、私自身が「企業の安全配慮義務」のことを考え、躊躇しながら助言していたことは事実です。その結果、高尾先生のご指摘の通り「会社の職場は"働く為の場"であり"療養の為の場"では無い」という認識が希薄になってしまっていました。

しかし、今年4月に医師会館で開催された産業医&岡山大学講師である高尾氏のセミナーを聴講し、正直言って、原則論を再認識させられ感動しました。「医療的健康管理」は医師が行うべきコトであり素人が行えるコトではなく、会社が行うべきは医療的健康管理ではなく「業務的健康管理」を行うコトが基本であることを学びました。そして、そこで学んだ高尾式メソッドを顧問先数社で試行して頂いた処、会社の総務担当の人々には大変好評で、かつ好ましい成果があることが分かりました。高尾式メソッドでは、本人が精神疾患の為に休職を開始してから本人やご家族とどのように接し、医師とどのように接して、復職の是非を検討するかまで一連のモノが全て書式となっています。

私としては今年4月に学んだ内容で十分に満足していたのですが、一昨日に広島市社労士会が高尾式メソッドの研修会を開催するというので再び参加してきました。結論としては、「再参加して良かった・・・!! 」ということです。

高尾先生の実践とそのグループによる研究の積み重ねによって高尾式メソッドが更に改良されていたのです。この新しいメソッドがいつ頃ネットで公開されるのか確認した処、「来年1月以降になる」という回答でしたので、さっそく当日もらった資料をデジタル化して直ぐにでも使えるようにしました。ご興味のある方はお問合せください。

高尾式メソッドも大したものだと考えますが、過去の研究が開発された現状のモノに満足せずに更なる改善を加えられている高尾先生の考え方にも感心しました。