村上流 社内教育訓練制度と評価制度のつくり方

人事評価制度の再検討、社内教育訓練制度の再検討などの依頼があったときは、

まず最初に「トライアル雇用奨励金」付きの求人票を作成して頂きます。このとき「入社後3カ月経過した時点で満たすべき条件」を箇条書きして頂きます。社内のいくつかの職種でこの求人票づくりを行って頂きくことで"入社3カ月後のあるべき姿"を考えて見える化するクセをつけて頂きます。

トライアル雇用の求人条件の作成に慣れたら、次は「キャリアアップ助成金」の対象にもなるように、有機実習型訓練と評価シートづくりを行います。この作業を行うことでパートタイマー等の有期契約従業員から正社員へ転換する条件を検討し、①一番簡単な教育訓練計画を策定すること、②評価シートを作成すること等を練習をして頂き、教育訓練計画対する考え方を理解して頂きます。このとき私が必ず会社の人に言うのは、山本五十六翁の名言「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は育たジ!!」です。この段階を私は教育訓練計画作成の「一点突破」段階と呼んでいます。

そして次に、前記の有機実習型訓練計画と評価シートを水平展開(社内の異なる職種のものの創る)して頂きます。これが出来た段階で、会社の人は複数の訓練計画と評価シートを体験されますので、それらに対する理解が深まっています(この段階で、私は参考資料の収集に翻弄しますが・・・)。

次は、PFドラッカー流に社内組織図を創ります。組織図が出来上がったら、最初に創った職種の訓練計画と評価シートを垂直展開します(見習い→一般社員→係長→課長→部長)。そして、これが出来上がると「キャリア形成助成金」を利用できるようになっています。

また、この段階で賃金(毎月の給与)の分布状態も確認し、必要であれば賃金体系の再構築を行います。

そしてこの一連の動きで私はコーディネーター役又はプロデューサー役を努め、具体的な計画や評価シートは会社の人達に創ってもらう様に心がけています。この手順で進めると、最後の段階が出来上がる頃には会社の人たちに訓練計画だけでなく人事考課表や賃金体系を創り直す能力が自然と備わっています。そして、当然のことですが私は報酬を会社から頂きますが、助成金が利用できるようになっているので会社にとっての総費用はかなり軽減されることになります。