マイナンバー制度への対応準備

今年10月からマイナンバー制度が開始されるので、色々な体制を整えつつあります。

私は顧問先に「自社で従業員のマイナンバーを保管するのを止めて私に預ける」ことをお勧めしています。何故なら、世間が騒いでいるマイナンバーを会社が利用するのは税金・雇用保険・年金・健康保険等の手続きの際に必要となるだけです。ハローワーク・年金事務所等への届出は私が代行している顧問先では税金で使用するのは年末調整と支払調書だけですから、会社のマイナンバー使用頻度は年間1回~2回限りです。その為だけにマイナンバー保管リスクを会社が負い、経費を掛けるのは如何なものか?と私は考えるからです。

そして更に、私が諸届代行だけでなく給与計算事務まで受託している顧問先に関しては、税務署に支払調書を届け出ることだけを顧問税理士さんに依頼していますから(法律で税理士さんの独占業務と定められていますから私が代行できません)、会社でマイナンバーを保管しておく必要は全くないのです。それならば、会社でマイナンバーを保管し漏えいするリスクを冒す必要は全くありません。

私の事務所の建物に入室するには受付の女性に申込みをする必要があり、事務所に入室する為のカギを入手するには暗証番号とカードが必要となる建物です。私が入居する前は防衛庁が利用していたことも知っています。その為、少々家賃が高いのですが、建物の機密性が極めて高いといえます。しかも、来所された方の応対は事務所とは別フロアーにある会議室または応接室で行い、事務所に入室できる人はかなり制限をしています。当然のこととして、事務所内の全ての書庫はすべて鍵をかけるようにしています。

そして、使用するパソコンは全てパスワードが必要で、しかもネットに接続させるパソコン以外にネットに接続できないパソコンを設け、顧客データは全てネットに接続できないパソコンで保管しています。そして万が一に備えて、事務所内で使用していた無線ランは止めました。その為、かなり不自由になりましたが、今年10月以降のことを考えると仕方ないので、その不自由さに慣れるようにしています。

そして更に、先週はソフトメーカーの説明会にも参加して来ました。ソフトメーカーはマイナンバーを大きなビジネスチャンスと捉え、既に数社が説明会を広島でも開催しています。全てのソフト会社がクラウドを利用して簡便に保管/運用ができるようにしようとしていますが、私はクラウドを利用するつもりはありません。何故なら、まだ顧客の中にクラウドに対して不安を抱いている会社が多いからです。

それでは何故にソフトメーカーの説明会に出席したのか? それはマイナンバーの使用履歴と削除履歴だけはソフトを利用して簡便に出来るようにしたいからです。この2つの作業を手作業でやろうとすると膨大な人力と時間を必要とします。マイナンバー制度は、その運用コストもさることながら、履歴/削除の管理コストが膨大なものになると私は予想します(入退社が激しい顧問先があるため)。従来から使用していた社労士用業務用ソフトも、近日中に買い直さなければならないと検討しています。

そして更に、プライバシー・マークを取得するか? それとも従来通り社会保険労務士会が発行したSRP(社労士会の発行した個人情報保護事務所の証)で止めるか?を迷っています。

因みに、先週参加したソフトメーカーの説明会で一通りの説明が終わった後に個別で相談した処、後日改めて私の事務所に来て打ち合わせをすることになりました。