労災と病院

通勤途中で従業員が転倒し怪我をしたので手続書類を作成して貰いたいという依頼がありました。

通勤途中の事故なので、会社も詳しいことは分からず、結局は本人から訊いたり私が現場を観に行ったりして労災の書類(「療養給付請求書(16号の3)」と言って病院の費用を労災の扱いにする書類)を作成し会社に交付しました。

数日後に会社から「本人が病院に書類を提出した処、書類が違うと言われた」という連絡がありました。そこで、本人に再度訊いた処、私に伝えた病院に行く前に最寄りのクリニックで診てもらい、そのクリニックでは手術ができないので大きな病院を紹介され、私にはその大きな病院のことだけを伝えたということでした。

これだと確かに書類が違います。最初に行ったクリニックに「療養給付請求書(16号の3)」を提出し、その後で行った大きな病院には「転院届(16号の4)」として書類を提出することになります。早速、私が書類の作り直したことは言うまでもないことです。一般の人から労災の説明を聴くときは「良く聞く(相手の話を聞く)」のではなく「良く訊く(相手の話を聞き質問する)」必要がありますネ!!

そして、通常は最初のクリニックでも、次に行った大きな病院でも、労災書類が提出されるまでは健康保険の3割負担分を本人に支払わせるので、労災書類をクリニックや病院に提出するときは、それまでクリニックや病院に本人が支払っていた治療代のレシートを添付して提出し、負担していた3割分を返金してもらいますが、今回は両方の病院とも3割負担分を徴収していませんでしたので説明を省略しました。そして休業しなくても良い程度の怪我であった為、休業補償の説明も省略しました。