事実婚の被扶養者

ある会社から「従業員が結婚したので妻(32歳)を被扶養者とする手続きをして貰いたい」というご依頼がありました。そこで会社にお伺いして、私が結婚された日を尋ねた処、60日以上前の11月であることが分かりました。その為、同居し始めた日が分かる住民票または入籍した日が分かる戸籍謄本を被扶養者異動届に添付するように依頼しました。

そうした処、「入籍した日よりも先に同居し始めていたが、住民票と戸籍謄本のどちらを添付すれば良いのか?」という質問がありました。そこで分かったことは「7月から同居を始めたが、入籍したのは11月である」ということでした。その上で、私が「7月から11月まで、妻となった人は健康保険はどうされていたのですか?」と尋ねた処、「国民健康保険と国民年金に自分で加入していた」ということでした。

こうなると話しが少々厄介になります。

まず、「同居し始めた日が証明できる住民票」「入籍したことが証明できる戸籍抄本または戸籍謄本」「妻の所得が130万円未満であり、かつ夫の収入の半分未満であったこと又は夫が主たる生計維持者であったことができる証明資料(給与明細書等)」を添付して7月から被扶養者にします。そして、その被扶養者異動届(受理印のあるもの)を市区長村役場の国民健康保険課に持参し手続きをして、7月以降の国民健康保険を返金してもらいます。国民年金は年金事務所から届く書類で返金の手続きをします。

添付書類が多いので、最初は本人は面倒くさがっていましたが、国民健康保険料と国民年金保険料が返金される話しをすると「それなら、やります!! すぐにやります!!」ということでした。

そして、同じ週に別の会社から「産前産後と育児休業」について説明して貰いたいというご依頼がありました。そこで会社の総務担当者に、産前産後休業と育児休業期間中の手続き等の説明をした処、「社員同士での"出来ちゃった結婚"であり、産前休業開始後で出産前までには入籍をする予定ではあるが、既に同居している」ということが分かりました。この場合は、①両名とも会社の社会保険に加入していて、②妻となる予定の人の収入が夫となる予定の人の収入の半分以上ある(妻となる予定の人は正社員として職場復帰する予定)ですから、前記のような保険料の還付云々ということは無くなります。そして、取りあえずは妻となる予定の人の「住所変更届」だけを処理しておくことになりました。

ヤレヤレ、年寄り(私)の独り言ですが「ケジメとして、節度はどうなっているの?」と言いたい気持ちです。