ダメな上司の元で良い社員が育つ ???

この1カ月間はメチャクチャなスケジュールでした。毎年6月下旬から算定基礎届と労働保険年度更新で忙しいのですか、今年はこれに新規相談先が2社、福山市の支店で労働紛争、賃金が支払えなっていた会社からの相談、呉市で社会保険未加入企業からの相談、就業規則作成依頼が2社、算定基礎届の訂正が必要になった顧問先が1社加わり、結局は昼間は相談先を訪問し続け(食事どころかタバコを吸う時間も余りありませんでした)、算定基礎届と労働保険年度更新ほか事務は深夜に事務所でするハメになりました。同じ日に福山市と呉市の企業に訪問し、その移動時間を利用して車中で次に訪問する企業の対策を考え準備せざるを得ない状態でした。そして流石に疲れました。しかし、7月20日と21日に連休があったことは大助かりで、この2日間を利用して遅れに遅れていた事務を一機に片付けることができました。

この1カ月間は通常月の約3倍の軒数を訪問しましたが、色々な会社を短期間に訪問して気付いたことがあります。それは「人財を育てていない」「人財を活かしていない」ということです。一番多いのは、売上偏重の余り幹部従業員にマネジメント教育(創造と管理)をしていないケースでした。しかし、その中でも思わぬ処で人財が育っていた会社もありました。それらの会社に共通して言えることは「上司が上司としての仕事をしていないから、部下はやむを得ず上司が行うべき仕事を代行し、その結果、上司よりも部下が人財に育っている。しかし、ボンクラな上司は、その部下(人財)を活かして使うことができないから、結局は会社が変になってしまっている(私は外部の人間だから極めて冷静にそのことが判断できました)」と言うことです。この状態になっていれば対策は簡単なコトです(但し、さじ加減が難しい)。昔の格言で「若き者には権限を与えよ、年老いた者には禄(給与)を与えよ」とあるように、若い人財に権限を与えてノビノビと仕事をやって貰える環境(チャレンジする環境)を創り上げれば良いのです。その為にも社長が現場を直接把握して、どんな人財がいるのかを熟知しておくことが必要です。

いま国はキャリアアップ助成金に力を入れ、人材教育にもっと力を注ぐよう各企業に働きかけています。これはこれで大変に良いことなのですが、教育訓練計画が出来上がれば人財が育つというモノではありません。この1カ月間で私が痛感したことは、やはり教育訓練の為には「実践し、失敗する」ことを通じて「知識を智慧に変えていくこと」が必要ではないかということです。教育訓練で成功事例ばかりを学んでも、受講者が本当に理解できるかどうか疑問を抱く処です。昔しから「成功から学ぶことは少ない。しかし、失敗からは多くを学ぶことができる」と言いますから・・・。教育訓練の中でワザと小さな失敗をさせるのも良い方法かもしれません。因みに、今年2月から顧問先になって頂いた企業の社長には「従業員が失敗したら褒めてください。但し、手抜きやケアレス・ミスは叱り、チャレンジによる失敗を褒めることが大切です。社長の一番の仕事は、社長自らが売上を増やすことではなく、人財を育てて骨太の会社を創り上げることです」と私は言っています。