ある顧問先の依頼で、来年度新卒者の募集手続きをするため新卒者専用のハローワークに行きました。そうした処、従来とは違う手続きが今年から必要となったことがわかりました。
①ハローワークでは今年の秋から地方公共団体と民間職業紹介事業所に求人の情報を提供し始めるが、それぞれに求人情報を提供することを希望するか否かの意思確認をするために、企業の採用担当者の署名が必要であること
②平成23年度、24年度、25年度の新卒者採用数と離職者数を報告すること
以上が必要なことがわかり、私は思わず「エッ?」です。
地方公共団体や民間職業紹介事業所に求人情報を提供することを希望するか否かの意思確認をすることは必要なことだと思います。しかし、会社の採用担当者の署名が必要とするのはやり過ぎだと考えます。
また、平成23年、24年、25年の新卒者採用数や離職者数の報告ほ義務付けるのは「何のために?」でしょうか? この数字を調べるだけで会社は貴重な経営資源である従業員の時間を浪費してしまいます。PFドラッカーが指摘しているように、「使途が明確でなく、効果が期待できない報告」を官公庁が民間企業に要求するからも民間企業は不要な事務が増加するのだと考えます。これに類した例で、昨日は別の会社に隣の県の労働保険事務組合から隣の県に出店している店舗に関する労働保険事務処理状況の報告を求める郵便物が届いていました。これなど会社には報告義務は無いのですが、知識の乏しい民間企業は動揺してしまいます。更に、先日あった労働局機会均等室の企業臨検指導では事前に世代別・男女別従業員数を集計するなど膨大な労力を必要とする事前調査票が郵送されていました。このとき私は、臨検当日に均等室指導官に「何の為の事前調査票ですか? どのように使用する目的ですか? こんな膨大な資料を作成する必要性を説明してください」と詰問した処、指導官は「口頭でお聞きしますから記入されなくても良いです」との回答で、臨検当日に事前調査資料の内容の1/5程度の内容だけを会社から聴き取っていました。行政官が過去の慣習に従うだけで何となく資料を要求したり、「こんな資料があれば便利かもしれない」と考えて調査票や資料提出を民間企業に要求するから民間企業は動揺するし、また不要な事務が増えて時間という貴重な経営資源を浪費する羽目に陥ってしまう場合が多いと思います。
官公庁や準公共的組織は「為すべきを為し、為すべからざるを為さず」を徹底することで「民間企業に不要な資料作成をさせないこと」を徹底すべきだと思います。原則論は「シンプル イズ ベスト」です。世の中、暇な人はいないのですから・・・・・。
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