ごれがハローワークの指導???

ある会社が、初めてハローワークに求人手続きをしに行ったときに問題は起こりました。

この会社は労基法の特例対象業種のため、1週間の法定(所定)労働時間数は44時間であり、この会社は1カ月単位の変形労働時間制を採用しています。従って、隔週土曜日の休日とするか、毎週土曜日は出勤だけども4時間勤務(半ドン)で良いか、のどちらかの勤務制度を採用すれば労基法違反にはならないことになります。

求人申し込みに行った社長はハローワークの職員から色々な指導をうけて求人票を書き直して、やっと受理して貰ったらしいのですが、その求人票を見ると「隔週土曜日が休日、しかも出勤する土曜日は半ドン(4時間勤務)」となっています。この条件だと、1週間の平均所定労働時間数は44時間ではなく42時間(企業の実態よりも2時間も減ってしまった)となります。

この会社からの相談は、この条件で採用した人はこの条件で働いてもらっているが、従来からいる従業員は「隔週土曜日が休日」(出勤日となる土曜日は8時間勤務)だから、他の従業員から不満の声が出て困っているので何とかして貰いたい、という相談でした。会社社長の言い分を聞いていると「法違反とならないように、ハローワークの職員が言うことに従って求人票を提出したが、当社の従来の雇用条件は本当に違法なのか?」ということでした。

ここまでの経緯を聞いて、私はハローワークの職員がどんなことをこの社長に指導したのかが推測できました。職員は①隔週土曜日を休日にするか、または②毎週土曜日は出勤だけども4時間勤務(半ドン)かのどちらかの制度とすることが必要であると説明したつもりだったのであろうと推測します。しかし、法的知識に欠ける社長は、その両方が必要と誤解してしまい、結局、自社の所定労働時間数が44時間なのに求人票では42時間となる記載をしてしまったようです。

最終的には職員の指導を十分に理解せずに求人票を出した社長が悪いということになるのかも知れませんが、社長の真意や会社の実態と求人条件にズレがあることを確認もせずに求人票を受理した職員にも問題あると私は考えます。

これでは、ハローワークの職員は労働紛争を防止するどころか、労働紛争の火種を蒔いたことになります。

職員は給与を貰い求人サービスを提供する公僕なのですから、もう少し一般人の知識レベルと理解度に配慮すべきだと私は考えます。そして、もしもそれが出来ないというのであれば、断片的な法律知識を一般の人に振り回さない方が良いと考えます。