パートタイム労働者雇用管理セミナー(応用編)に参加

昨日は厚生労働省が後援する浜銀総合研究所が主催した「パートタイム労働者の活用戦略にもとづく賃金制度設計及び導入の実際」という研修会に参加して来ました。今夏に入門編の研修を受けた続版です。そして、これはパートタイマー労働法と労働契約法を元に、正社員とパートタイム労働者(以下、パートと呼びます)の間の不合理な処遇格差を是正するための一つの手段です。

中小・中堅企業ではパートさんに色々な仕事を兼務してもらう傾向が強いのですが、まずは「人」ではなく「仕事内容」を管理することが格差是正のためには必要です。その為、社員を含めて「仕事の棚卸し(どんな仕事をしているかを書き出してみる)」を行い、仕事の難易度を次の基準に従いポイント化(5段階)してみます。

(a)人材の代替性(直ぐに代わりの人が見つかるか?)

(b)革新性(アイディアや創造力を求められる仕事か?)

(c)専門性

(d)裁量性

(e)対外的折衝力(部門外や社外との対人関係の複雑さ)

(f)対内的折衝力(部門内の対人関係の複雑さ)

(g)問題解決の困難度

(h)経営えの影響度

そして、各項目の重要度合に応じてウェイト付けし、そのウェイトと各項目のポイントを掛けて総合計点を計算します。

こうして計算されたポイントを元に、社員とパートとのポイントを比較して、ポイントが近似値であれば時間単価に不合理な格差がないかを検討します(特に、下級クラスの正社員とパートとを比較することが大切です)。

ただし、パートと正社員との格差で認められる①転勤の有無、②残業・深夜労働・休日労働等の有無、③配置転換の有無に着目して、パートと同等の仕事をしている従業員との格差を2割~3割は認められるそうです。この根拠は各業種に対して行ったアンケート調査結果を元にしているそうです。

一般的に正社員は職能資格制度で賃金を決定している企業が多い現状ですが、パートには職務給制度(役割等級制度)を採用するように勧めていました。要するに、勤続年数や年齢、あるいは習熟能力ではなく、いま担当している仕事内容はどんなレベルか(何点のポイントになるか)?で決める方が望ましいという意見でした。

そして、パートを5ランクに分類して、各分類ごとに一定幅の昇給帯(バント)を設け、ランクアップしない限りは人事評価を元にそのバンドの中で昇給(又は降給)させる仕組みを創り上げることをこの研修会では勧めていました。

以下は省略させて頂きますが、ご興味のある方はお問い合わせください。

但し、私論としては、余りにも制度化し過ぎて硬直的な賃金制度に陥らないようにすることが肝要と考えています。

尚、厚生労働省のホームページhttp://part-tanjikan.mhlw.go.jp/ にアクセスすれば、このやり方のITツールが入手できるそうです。