認定支援機関向け経営改善・事業再生研修

10月6日(日)・7日(月)に島根県松江市で開催された「認定支援機関向け経営改善・事業再生研修」を受講してきました。参加者は75名、そのうち約8割が税理士さん又は税理事務所に勤務する職員さんで、税務処理を業としないのは私(社会保険労務士)と弁護士の2名だけでした。尚、残りは銀行員さんや政府外郭団体の職員さん達でした。
お蔭さまで「認定支援機関の役割」と「リスケ・債権放棄等を銀行に依頼する際の基準」が明確になりました。

認定支援機関が果たすべき役割は、①「事業の存続・維持・(発展)」、②「金融機関との関係正常化」ということでした。バブルが弾けて倒産件数が急増し、「失われた10年」等と比喩されている間に、窮地に陥った企業を救済するために銀行を含めた色々な組織が色々な手法を実行し法律も改正され続けてきましたが、ここにきてそれらが集大成され、制度化・統一される仕組みが出来上がり始めたようです。

14年前に私が経営していた会社を倒産させてしまったときは民事再生法が成立した直後で私的整理のやり方は混沌とした状態であった為、私は結局法的整理を選択しましたが、いまは法的整理は言うに及ばず私的整理もかなり制度化し安定し始めたようです。しかも、公的資金援助を受けて認定支援機関を利用すれば、倒産防止策を企業が講じられる時代となったことは羨ましい限りです。そして、私は自分の苦い体験を他の人にはさせたくないから認定支援機関の役割を全うしたいと考えています。

この研修では、金融機関(銀行等)が「リスケ」や「債権放棄」に応じる際の基準と必要書類が分かったことが一番の収穫でした。その基準とは、

3年以内に黒字化する計画であること

5年以内に債務超過を解消する計画であること

有利子負債(銀行等からの借入金)がフリーキャッシュフロー(営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの合計値)の概ね10倍以下となっていること

の三点が注意すべきポイントです。

また、日ごろから私が一番苦労している「計画策定後のフォローアップ」が大切であるという指導は身に染みて理解できました。そのため、『企業経営者の「誠実性」「本気度」をいかに理解するかに関するフリーディスカッションは面白く興味をもって参加しました。

研修はかなりシンドイものがありましたが、初日の夕刻に運動不足を解消するためホテルから往復1時間半を費やして松江城まで散歩してきました(ストレス発散です)。松江城では丁度「灯籠を使ったお祭り」が開催されていて風情のある光景を楽しむことができました。しかし、ホテルの周辺に飲食店が無いので散歩がてら晩飯を食べる処を探すのも散歩の目的の一つでしたが、残念ながら飲食店を見つけることは出来ずに結局はコンビニで弁当を買いホテルで食べる羽目になってしまいました。その分、シッカリとホテルで昼間に学習したことを復習することができましたが・・・・。