癲癇(テンカン)という病気

数年前に癲癇で職場で倒れた従業員の態度がまた最近変になり、周りの従業員からクレームが上がってきているのだがどうしたら良いかという相談が今日ありました。会社としては直ぐにでも休業命令を出したいらしいのですが、休業手当は支払いたくないようなのです。問題は、上司や周りの従業員が警戒しているものの、本当に癲癇が原因で最近の態度が変なのかどうかということが素人ではわからないことです。

一昨年だったと覚えているのですが、中学生時代に癲癇で学校で倒れ、その後は回復し会社勤めもしていたが30代になって再発し、今度は鬱病も併発していた人の障害基礎年金の手続きをお手伝いしたときに、癲癇という病気は治り難い精神疾患であることを知りました。

そして更に、会社経営をしていた頃の大昔の体験ですが、小売部門の美人で音楽センスの良い女性従業員がある日職場で癲癇で倒れたことがあります。なんでも、口から泡を吹いて倒れたので救急車を呼ぶような大事になったそうでした。その人は治療が終わり復職したのですが、他の従業員が怖がってしまいその人をなんとかして貰いたいと要望してきました。あの頃、私は法律も何も知りませんでしたし、本人と直接話したら子供の頃から癲癇が持病でそれを隠して就職していたと言うので退職してもらいました。私も当時は若かったので、お客さんの評判も良く美人で音楽センスも良い人だから惜しいナ!!と思った記憶が残っています。

これらのことを思い出しながら今回の相談に応じたのですが、上司や周りの従業員の精神状態を考えると早急に結論を出す方が良いようなのです。ましてやプロとして意見を求められた訳ですから・・・。そこで、

①まずは産業医と大至急に面談させること(素人判断をせず、かかりつけ医の言うことを鵜呑みにしない)

②この会社の産業医の専門は内科だから、多分専門医の診断書を貰ってくるように指示する筈であること

③会社の仕事内容と本人の担当職務内容を産業医に事前に伝えておくこと

④産業医は専門医の診断書と会社での仕事内容とを勘案して、多分「療養のため休業を要す」という診断を出すであろうこと

⑤もし、産業医がその判断をしたら就業規則に基づき定められた期間は休職させ、それでも癲癇が良くならないようであれば退職してもらうこと

をお伝えしました。要するに、最近「態度が変なこと」と「癲癇」との因果関係を産業医に判断して貰おうということです。

産業医がどう判断するかはわかりませんが、いまそれを考えても仕方がないことなので考えないようにして、まずは急いで産業医に面談させることを勧めました。

会社には従業員に対する安全配慮義務が課せられています。このときに考えるべき「従業員」とは本人のことでもあり、また周りの従業員のことでもあります。他社の実例ですが、躁鬱病の従業員を医師の指示を元に続けて働かせていたら、他の従業員が精神的に疲弊してギブアップしたこともあります。

 

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コメント: 2
  • #1

    中山博雅 (木曜日, 19 7月 2018 22:12)

    これてんかんに対する安全配慮義務の事例じゃなくててんかんに対する職業差別をこの社会保険労務士の事務所がやっちゃった事例じゃないの?てんかんの従業員の態度が急変だけどてんかんは倒れる病気だけど別に態度が急変する病気じゃないし回りの従業員に差別による偏見があって態度急変させた可能性の方が高いよねこれ。

  • #2

    中山博雅 (金曜日, 20 7月 2018 04:28)

    自分もてんかんで最近勤務態度変にさせているけど根底にあるのはてんかん関係なく人事や周りの人間に対する不信が原因だしこれも周りの人間が職場で患者をいじめてるから起きている案件っぽいよね。