PCソフト過信の怖さ

7月2日に算定基礎届をした企業について、企業年金基金から「算定基礎届の金額が可笑しいのではないか?」と照会の電話がありました。

この会社は、業績達成度合いに応じて業績達成手当が毎月支給されますから、基本給など固定的な賃金が不変でも支給賃金総額が残業手当や業績達成手当によって増減します。

そこで、取り敢えず私は基金に「業績達成手当によって毎月の賃金総額が変動するので、従来の標準報酬月額と比較して届出た賃金が減額することもあります」と説明をしました。

この会社は会社にある給与ソフトのデータを直接に算定基礎届のCDに焼き付けていますから、給与ソフトのデータ通りの賃金が算定基礎届のCDに焼き付けられている筈です。しかし、念のため基金から指摘のあった10名に関して詳細を私が再度チェックしてみることにしました。

そこで、算定基礎届として届け出た磁気媒体プログラムのデータを会社に依頼して印刷してもらい、給与ソフトのデータと比較することから調べ始めました。

その結果、例えばAさんは4月と6月の業績達成手当は算定基礎届に反映されているが、5月の業績達成手当は算定基礎届に反映されていないことがわかりました。また、別のBさんは、5月と6月の業績達成手当は算定基礎届に反映されているが、4月のものは反映されていないこともわかりました。

企業年金基金から可笑しいのではないかと照会があったのは10名程度でしたが、こうなると全員(93名)のデータを再調査することが必要です。

私は思わず「何でこんな症状がおこるの?」と言ってしまいましたが、原因究明より先に既に届出してしまった算定基礎届の内容訂正をすることが大事です。しかも、企業年金基金への届出は基金専用用紙での届出でPCで印刷したものが使用できない為、全て手書きで転記しなければなりません。ヤレヤレ・・・、とんだ作業が発生したものだ!! と思ってしまいました。

やはり会社のPCソフトを過信せず、届出の前に再監すべきでした・・・。