自営業を営む人の雇用

昨日は電話で「自営で食品のトラック運送業を営む人が求人に応募してきたのだが、面接した処、非常に良い人柄なので雇い入れたいと思う。ついては何か注意すべき点があればアドバイスしてもらいたい」という照会がありました。

私は昔し中堅トラック会社の相談を受けていましたので、この手のご質問には幾度も体験を持っています。

①生活費を補いたいので、深夜時刻を利用してその会社の車両を使用して約5時間のパート勤務をし、その後に約4時間の休憩をとってから、以前から自営で行っていたトラック運送業を午後2時まで行うということだが、

②この会社でのパート勤務を主たる仕事と考るように指導して、自営を理由に会社業務に支障が出ないようにすること

③パート勤務時間と自営時間の仕事時間数を合計するとかなりの時間数となるが、この点に関しては法的な規制は無いものの、疲労が溜まり寝不足となったり、健康障害が生じたりする可能性が高いので、会社は本人の健康状態には細心の注意をはらうべきであること。

④会社が本人の健康状態に異常を発見した場合には、就労を拒否し、医師の診断書提出を請求できるようにしておくこと

⑤以上の注意点を本人の誓約書として雇用契約締結と同時に提出させること

ほか、をお伝えしました。

景気が低迷し、また組織で仕事をする時代となったので、個人事業を営むことは大変に難しい時代となりました。その結果、このように自営もするが会社勤務もすることで生活費を補わざるを得ない人が増える傾向にあります。しかし、私の過去の体験からすると、自営は比較的自分の意思だけで自由に仕事をすることが出来ますが、会社勤務(会社に指揮命令されて、その対価として賃金(報酬)を貰うこと)となると会社の指揮命令をうけ仕事をしますから自由度はかなり制約されます。実は、本人の頭の中でこの切り替えが難しいのです。私の過去の体験からすると、このようなケースで上手く長続きすことは稀ですから止めた方が良いと思うのですが、会社は雇い入れたいという思いに走っているので仕方ありません。取り敢えず、雇用契約時に同時に提出して貰う本人誓約書の雛形をメールに添付して送付させて頂きました。