店舗(事業所)閉鎖に伴う退職とハローワークの対応

店舗を閉鎖するので従業員にそのことを伝え、会社は別の店舗への配置転換を打診した処、従業員本人が退職することを決めた会社のお話しです。

会社は離職票の退職事由記入欄に事実をそのまま記入しました処、ハローワーク(以下「HW」)は自己都合退職と判断しました。しかし、数日後にその従業員は失業保険の手続きをHWでした際に、退職事由に関する異議申し立てをしました。自己都合退職ではなく解雇だと主張するのです。そのためHWから私に事実を再確認し報告するように依頼がありました。そこで会社に依頼して、日報で①本人に店舗廃止と配置転換を伝えた人の氏名と日時、②本人が退職する意思表示をした日時を調べてもらった上で、HWに報告しました。 幸いにもこの会社は報告書としてそれらの記録を保管していましたので、スムースにHWに報告することができました。

その後のHWの結論を私は知りませんが、昨日、会社から元従業員のお父さんが電話で「HWの決定に不服であるならば、会社に直接電話して話し合いをし、それでも駄目なときは労働局であっせん申し込みをするように指導された」ということを伝えてきました。そこで、会社の人にお父さんから聞いたお父さんとしての希望を伝えてもらいましたが、どれも感情的なものばかりで、結局は会社にどうしてもらいたいのかが不明な状態でした。 ましてや退職した本人ではなく、そのお父さんからの電話でも申し込みですから大きな問題があります。

そのため、この後に2回程度は会社の総務担当の人がお父さんと電話でやり取りして(その間は我慢してお父さんの話しを聴くように努力する)、お父さんとしてではなく本人としてどうしたいのかを出来るだけ明確に把握し、3回目から会社は対応する人を上司に変えて話し合いを行うように勧めました。また、この段階で私のような社外の者が両者の話し合いに割り込むと話し合いを複雑にしてしまう可能性が強いことも伝え、当面の私は話し合いを側面から支援するのでお父さんとのやり取りを逐次連絡してくれるよう会社の人に依頼しました。

インターネットが普及し一般の人でも法的知識を簡単に入手することができる時代となったので、ダメ元で理不尽なことを会社に要求してくる人も増えていますし、断片的な法律知識を自分の都合良いように解釈したり、感情的になって会社に異議を申し立ててくる人が増えています。しかし、会社としては短気にならず慎重に対応することでコトが大きくなるのを防いでいきたいものです。「人間は考える葦である」と同時に「人間は感情の動物」でもある訳ですから・・・!!