後見人制度に関する研修会

今日から毎週日曜日に5回(終日)ほど成年後見人に関する研修会が始まりました。

痴呆症で自己判断が正常にできない高齢者が急増していることから成年後見人、補佐人、補助人の3種類の法定後見人と任意後見人を加えて4種類の後見人が準備されていることを知りました。一昔前の 禁治産者、準禁治産者の制度に代わって設けられた制度で、昔しの制度と違い戸籍謄本には記載されず東京法務局に登録されるだけの制度です。

しかし、注意しなければならないのは、成人後見人には「取消権」をあることです。痴呆症になり成人後見人が決められると、仮に本人が契約しても日用品以外のものであれば成人後見人がその契約を取り消すことが可能なのです。こうなることを防止するには、東京法務局に成人後見人が指名されていないことを証明して貰うしかありません。

後見人になるつもりは無いけれども、モノの考え方として大変に参考になります。

まず、午前中の研修では、「良かれ・・・と思って行うことが、法律的にはかえって本人の権利を侵害することにもなり得る」ということを学びました。出来るだけ本人の自由意思を尊重することが大切なことは解るのですが、相手の家族環境の中での人間関係を考えると、これは大変に難しいことではないかと思いました。

そして午後は、埼玉の川口市から来て講演された社労士のお話しは、自分の体験を元にした実務的な講演だったので面白く聞くことができました。 そして、この講演でも、相手の家庭環境の中で本人の自由意思を尊重して後見人としての役割を果たすことの難しさを感じ取りました。

私が本業とする企業の人事労務コンサルタントとは異質な世界の研修会でしたが、組織環境の中で相手の自由意思を尊重しながら、なおかつ相手にとって最も望ましい意思決定のお手伝いをする為の考え方として大変に役に立つ研修会であった(まだ4回も残っていますが)と思います。