労災事故発生後、数日後に通院した場合の労災処理

年末の12月21日にある会社の支店で労災事故が発生しました。年末で多忙なせいもあり、本社総務から私に連絡があったのは年明けのことです。

被災者は、21日は被災した後は早退し、22日は公休日、23日は無断欠勤、24日に初めて通院して治療をうけていました。そして、その後は療養のため休業し、28日の仕事納めの日に支店責任者に労災事故で被災し自宅で療養していることを報告したそうです。

トラックに貨物を搭載している最中に足が引きつったので、痙攣と本人が自己判断し、その程度が酷いので自宅で安静にしていたが治らない為、24日に通院したそうなのです。医師の診断によると「肉離れ」が発生していたそうです。少々、報告に不自然な点があると感じましたが、その点は労基署の判断にゆだねることにして、まずは報告された事実に基づき書類手続きを行うことにしました。

この支店は、23日に従業員が無断欠勤したにも関わらず放置していたことは、労務管理が十分になされていない証なのですが、そのことは兎も角として私から会社に

①労災保険の対象となるのは通院した24日以後のことに関してだけであること

②21日は働いた時間だけは賃金を時間計算して支払うこと

③21日の早退後と、22日と23日は通院前のため、本人は何も所得補償されないこと

④24日、25日、26日は会社が休業手当を支給すること(平均賃金の6割以上)

⑤27日以降は労災保険から休業補償手当が支給されること(特別支給金と合計すると平均賃金の8割)

⑥必要となる書類は、5号様式、8号様式、私傷病報告書であり、5号様式と私傷病報告書が急ぐこと(但し、転院したり院外薬局を利用した場合は別に書類が必要となること)

等をご説明しました。

特に、21日から26日までの間の取り扱い(21~23日の欠務中は無保証、24~26日は会社から休業手当を支給)に疑問を抱く会社が多いのが実情です。