高年齢者雇用安定法の改正

高年齢者雇用安定法が来年4月1日から改正され施行されることが決まっています。

昨日は、その件を知りたいという顧問先から電話があったのでお伺いしました。

改正点は

①従来満60歳到達時に、会社が選択基準を設けて継続雇用又は再雇用する人を選択できていたが、4月1日以降は、その選択基準は満61歳になったときにしか適用できず(満61歳までは本人が希望すればその人を雇い続けなければならない)、またその満61歳という年齢も3年毎に1歳ずつ引き上げられ、最後には満65歳のときにしか適用できなくなる。

②満60歳以上の人を継続雇用又は再雇用するのは、その人が満60歳まで勤務した会社だけでなく、その会社の子会社やグループ会社でも良い(但し、会社同士の契約が必要)

③高齢者雇用安定法に違反した企業名を公表するという罰則が設けられた

④厚生労働省が運用にあたっての指針を策定する

ですが、企業にとって一番関心が高いのは①選択基準適用年齢の引き上げに関することです。そのためハローワークのパンフレット2種類、厚生労働省ホームページのQ&A、厚生労働省の指針等を持参してポイントを説明しました。

私の考えとしては、厚生労働省の指針が11月20日前後に公表されたので年始頃から各講師の所見がセミナー等で発表されるようになるから、就業規則や労使協定を慌てて変更するのではなく、来年2月初旬頃までに検討を加え、3月中頃までに新たな労使協定を締結し、就業規則変更届を労基署に届け出れば良いのではないかと思っています。

問い合わせ企業からの質問のうち重要な質問は、(a)就業規則や労使協定は変更して届け出なければならないのか? (b)満60歳を超えた有期労働契約の従業員さんの契約期間が満了した場合も契約更新することが義務付けられるのか? の2点でした。両方とも「厚生労働省ホームページのQ&A」で説明されていましたから、その資料を使って説明し納得して頂けました。

その結果、1月末頃までに現在労使協定で定めている選択基準の再検討を行い、2月中頃までに就業規則を変更して労基署に届け出るということになりました。

ただその際に、会社の人が拘られたのは就業規則の冒頭で「社員」「嘱託社員」「有期契約従業員」などを定義した条文があるのですが、「嘱託社員」の定義が曖昧で「嘱託社員」かつ「有期契約従業員」の人が沢山いるので、混乱と誤解を防ぐためにそれぞれの定義を明確にしたいという希望がありました。