年金事務所による事務適正化調査

10月中頃に私の広島市西区で事務代行届出を年金事務所にしている企業3社の調査がありました。これといった不備はなく無事終了したことは言うまでもないことですが、事前準備には約1カ月間をかけ、細心の注意を払いました。この調査が無事に終わってホッとしていたら、今度は広島市安佐南区で事務代行届をしていない企業から「年金事務所が調査するという手紙が届いたので代行して貰いたい」というご依頼があり、早速事前準備にかかりました。

 

これら一連の年金事務所の調査で注意すべき点は、昔の社会保険事務所時代の調査と違い厳格かつ詳細に実態を調べるので、

①正社員の所定労働時間数または所定労働日の3/4以上勤務しているパート・アルバイトさん等で健康保険・厚生年金(以下では社会保険と言います)に未加入の人がいないか? 特に残業と休日出勤が問題で、雇用契約書では3/4未満となっていても実態として残業や休日出勤により3/4以上となっていないか(但し、2カ月未満の期間であるならば一時的なものと見做してくれます)を過去2年間に遡って事前にチェックする必要があります。

②そして、もし万が一に事前チェックで見つかったならば直ちに加入させることが大切です。調査時に未加入として指摘されると遡って加入させられますが、調査前に加入させると遡ることを防止できるからです。

③入社した社員は社会保険の取得月も調べられます。たまにあることなのですが、試用期間中は社会保険に加入させず試用期間終了後に加入させていると、試用期間開始日に遡って加入させられます。

④算定基礎届、賞与支払届、月額変更届等の処理で不適切なものは無いか事前にチェックしておくことも必要です。特に月額変更届は漏れが発生し易いので注意が必要です。PCソフトによってはソフトが対象者をチェックしてくれるものがありますから、一般企業ではそんなものを利用されて漏れを防ぐようにされた方が良いと思います。私の顧問先では、賃金データを毎月私が預かり、私の方でチェックするようにしています。

⑤④に付随して、届け出た毎月の賃金が適切なものであり、決定した標準報酬月額が適正な額であるかも調べられます。

 

兎に角、社会保険事務所時代の調査と比較すると厳格で詳細に渡る調査であることに驚きました。

いずれにしても過去2年間に遡って事前にチェックすることは大変な労力を必要とする作業です。毎月の事務を適切に漏れなく行って行く事が大切です。