海外駐在員の死亡

隣町(広島市から自動車で約1時間半の距離)に在住する人から電話で「夫が海外駐在中に心筋梗塞で死亡し、会社は労災手続きをすると言いながら既に1年が経過しているのに何もしてくれない。夫は労災の海外派遣者の特別加入に加入していた筈なのですが・・・、どうすれば良いでしょうか? 私が住んでいるのは広島県ですが、会社は隣の県にあります」という問い合わせがありました。

この電話相談を受けて私は

①何故、会社は手続きをしないのだろうか? 海外派遣者の特別加入に本当に加入していたのかナ?

②心筋梗塞が死因あれば、「業務起因性」を証明するのが難しいナ!! 過重労働による心筋梗塞と考えるならばタイムカード等で働いていた時間数を把握する必要があるが、海外赴任先で就労時間数を記録していたのかナ? あるいは同僚等からその証言をして貰えるのかナ?

等々のことを考えました。

会社には社会保険労務士がいるそうなのですが、その人も何もしてくれないそうなのです。しかし、私はこのような時こそ社会保険労務士はプロとして会社と遺族と行政の橋渡しをすべきではないかと考えます。

しかしながら、前後の事情がわからない状態(単なる憶測)でアドバイスすると不要な混乱を招く可能性がありますので、私は「最寄の労働基準監督署に行って、私に話したのと同じ内容を相談員にしてください。必要な手続き方法を教授してくれる筈です。会社が労災申請しない場合に従業員が労基署に申し出て調査を依頼する方法もあります」とお答えしました。