技術伝承と高齢者の継続雇用

ある雑誌の風刺画で「お年寄りが沢山バスに乗っているため若い人がバスに乗れない状態」のものを見ましたが、今回、それを正に体験しました。

小規模な企業さんですが、60歳代の従業員さんが数名と40歳代の従業員さんが数名いるだけの会社です。

社長は技術の伝承を考えて若い人を採用したいのですが、その財源が確保できないので諦めていました。

私は年金調査の委任状を60歳以上の従業員さん達から貰い、事務所のパソコン・ソフトで最適賃金を試算させてみると、現状30万円以上の給与を21万円に減額しても本人達の手取額はそんなに減額にならないことが判りました。

社長にこのことを伝えると大喜びされ、直ぐに本人達と話し合い了解してもらうことになりました。そうした処、そのうちの一人は給与はもっと下がっても良いから勤務時間数を週29時間程度に減じて自分の自由に使える時間を増やしてもらいたいという人がいることも分かりました。その結果、若い新人を2名を採用できる原資が確保できることになりました。高齢の従業員さん達は20代の若い人が入社してくることになったので、会社の将来を託することができるので喜ばれていました。

社長も、高齢従業員さん達も、そしてこれから入ってくるであろう若い人も喜んで貰えるとは、正に近江商人のいう「三方よし」の状態です。