退職勧奨と諭旨解雇の違い

「退職勧奨」とは、会社から本人に退職することを「勧めるもの」です。従って、本人から「辞める」という意思表示が無い限り辞めさせることはできません。

「解雇」とは、会社側が「一方的に」雇用契約を打ち切るものです。従って、本人の意思には関係なく退職させることになります。

そして「解雇」には①「普通解雇」と②「懲戒処分を目的とした解雇(諭旨解雇と懲戒解雇)」とがあります。

昨日のご相談者は、退職勧奨と諭旨解雇との違いをよく理解されていませんでした。

「諭旨解雇」は「辞表を一定期間内に提出すれば懲戒解雇しないが、辞表を提出しない場合には懲戒解雇する」という趣旨のものですから懲戒処分であることに変わりはなく、懲戒処分をした理由の妥当性(客観的な合理性と社会通念上の相当性)が問われます。

対象となる従業員に会社の意思(辞めてもらいたい)を伝えるという意味では似ていますが、本来の意味は全く違いますから十分に注意することが大切です。

因みに、「普通解雇」は懲戒処分ではなく会社の何らかの事情により会社が一方的に雇用契約を破棄する方法です。その中と一つに「整理解雇」というものがあります。

法律用語を迂闊に使うと怖いですネ!!